【運送業実務ブログ】巡回指導で確認したいアルコール検知器|毎日・週1回の点検と点呼記録
一般貨物自動車運送事業者は、点呼の際にアルコール検知器を使用して酒気帯びの有無を確認します。しかし、検知器を営業所に置いているだけでは十分ではありません。
巡回指導に備えるには、営業所ごとの備付け、業務前・業務後等の点呼での使用、機器の保守、遠隔地での運用、点呼記録への記載まで、一連の流れを確認する必要があります。
アルコール検知器は営業所ごとに備える
一般貨物自動車運送事業者は、営業所ごとにアルコール検知器を備え、常時有効に保持しなければなりません。所属営業所で行う通常の点呼では、原則として、その営業所に備えた検知器を使用します。
泊まりを伴う運行などで、営業所以外の場所から乗務を開始・終了する場合は、運転者に携帯型のアルコール検知器を携行させ、電話点呼等の際に使用させます。遠隔地での運用については一定の例外的取扱いもあるため、実施方法を運行管理規程や社内手順に落とし込んでおくことが重要です。
目視等の確認と検知器の使用は両方必要
点呼では、アルコール検知器の数値だけを見て終わりにしてはいけません。運転者の顔色、呼気の臭い、応答する声の調子などを目視等で確認し、そのうえでアルコール検知器を使用します。
検知器が反応しなかったとしても、運転者の様子に異常がある場合は、疾病、疲労、睡眠不足その他の状態も確認し、安全に運行できるかを判断します。酒気帯び確認は、機械任せではなく点呼執行者による総合的な確認です。
毎日確認する事項
運行管理者は、検知器を故障のない状態に保つため、取扱説明書に従って適切に使用・管理・保守します。国土交通省が示す毎日の確認事項は、次の2点です。
- 電源が確実に入ること
- 損傷がないこと
携帯型の検知器を遠隔地へ持たせる場合は、運転者が所属営業所を出発する前に確認します。「携帯させたので現地で確認すればよい」と考えず、持ち出し前の確認手順を決めておきましょう。
少なくとも週1回以上確認する事項
少なくとも週1回以上、次の作動確認を行います。
- 酒気を帯びていない人が使用したときに、アルコールを検知しないこと
- アルコールを含む液体等を用いて確認したときに、アルコールを検知すること
試験用の液体や確認方法は、製造者の取扱説明書に従ってください。機器ごとの交換時期、校正、センサー寿命なども確認し、使用不能になる前に更新できるよう管理します。
点呼記録には何を残すか
国土交通省の案内では、点呼記録にはアルコール検知器を使用したかどうか、酒気帯びがあったかどうかを記載します。測定数値の自動印字や、数値そのものの記載までが一律に求められているわけではありません。
一方、会社が社内ルールとして測定値を記録している場合は、そのルールに沿って運用を統一した方が確認しやすくなります。紙の点呼簿とデジタル記録が混在する場合も、欠落や二重管理が起きないようにしてください。
誤検知が出たときの対応
ガム、発酵食品、たばこ、洗口液などの影響で検知器が反応する場合があります。その際は、うがいをさせ、少し時間を置いて再測定するなどの対応をします。
再測定しても反応する場合は、安易に誤検知と決めつけず、体内にアルコールが残っている可能性を考え、乗務させない判断が必要です。対応の経緯は、後から説明できるよう記録しておくと安全です。
巡回指導前のチェックポイント
- 各営業所に使用可能なアルコール検知器があるか
- 携帯型を含む機器の管理責任者が決まっているか
- 毎日と週1回の確認方法を担当者が理解しているか
- 業務前・業務後・中間点呼で適切に使用しているか
- 点呼記録に「検知器使用の有無」「酒気帯びの有無」が残っているか
- 反応が出たときの再測定・乗務禁止・報告手順が決まっているか
- センサー寿命や校正時期を把握しているか
まとめ
アルコール検知器は、営業所に備えただけでは法令対応になりません。毎日の外観・電源確認、少なくとも週1回の作動確認、点呼時の使用、遠隔地での携行、点呼記録への記載を一つの管理手順として運用することが大切です。
巡回指導の直前だけ整えるのではなく、機器管理と点呼記録が毎日つながる仕組みを作りましょう。
巡回指導対応のご相談
巡回指導を控えていて、アルコール検知器の管理や点呼記録に漏れがないか確認したい場合は、専門家による事前確認をご活用ください。
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Ican行政書士事務所/運送業許可・更新サポートセンター 代表・矢内 TEL:070-1389-0777
本日の専門家紹介|千葉幸広先生(千葉県)
千葉幸広先生は、千葉県八千代市のスイング行政書士事務所を運営し、一般貨物自動車運送事業の許可を専門業務として取り扱っています。運送業以外では、酒類販売業免許申請にも対応しています。千葉県で運送業の許認可や日常の法令対応を相談したい事業者にとって、地域で相談できる専門家です。