【運送業実務ブログ】巡回指導で確認される運転者台帳|作成項目・更新・退職後の保存ポイント
巡回指導では、運転者台帳を「人数分そろえているか」だけでなく、法定項目が記載され、健康状態、事故・違反、適性診断、指導監督の状況と整合しているかが確認されます。採用時に一度作って終わりにすると、更新漏れが起きやすい帳票です。
運転者台帳は誰について作るのか
貨物自動車運送事業輸送安全規則に基づき、事業用自動車の運転者等について、営業所ごとに作成して備え置きます。他営業所と兼務する運転者についても、国土交通省は兼務先営業所で台帳を備える必要があると案内しています。電子保存も可能ですが、巡回指導時に随時確認・印刷できる状態が必要です。
主な記載・管理事項
氏名、生年月日、住所、雇入年月日、運転免許証の種類・番号・有効期限などの基本情報に加え、事故、道路交通法違反、健康状態、適性診断の受診状況、特別な指導の実施状況などを、該当時に記録します。顔写真も、本人確認ができる適切なものを管理します。
使用する様式については、最新の法令と管轄の適正化実施機関の確認項目に照らし、項目不足がないか確認してください。
事故欄は「事故記録」と連動させる
国土交通省の解釈・運用では、原則として当該運転者が事故発生に最も大きな責任を有する場合に、発生日時、場所、概要、損害の程度などを記載します。直ちに第1当事者か判断できない場合は、判断保留である旨を付して記載し、その後の保険査定、示談、裁判等で判断できたときに追記し、根拠資料の写しを添付する取扱いが示されています。
事故記録の写しを添付する方法のほか、事故記録を容易に参照できる作成番号等を記載する方法も示されています。事故記録と台帳で日付や内容が食い違わないようにしましょう。
違反・健康状態の更新
道路交通法上の通知を受けた場合は、違反の種別、年月日、場所を記載します。通知がなくても、事業用自動車の運行中に処分を受けた場合は、運転者から自主的に報告させ、概要を記載するよう指導することが望まれます。
健康状態は、健康診断個人票または健康診断結果通知の写しを添付する方法も認められています。ただし、結果を綴じるだけでなく、就業上の措置や再検査への対応が必要な場合は、その実施状況まで管理することが重要です。
巡回指導前の整合性チェック
- 在籍運転者一覧と台帳の人数が一致しているか
- 免許証の有効期限・種類が最新か
- 健康診断、適性診断、初任・高齢・事故惹起運転者への特別指導記録と一致するか
- 事故記録、違反通知、点呼記録に出てくる運転者が台帳に反映されているか
- 退職者の台帳を退職直後に廃棄していないか
- 電子保存の場合、その場で検索・表示・印刷できるか
更新日を決めて属人化を防ぐ
採用時だけでなく、免許更新、住所変更、健康診断、適性診断、事故・違反、指導実施、退職の都度、台帳を更新する運用が必要です。「毎月末に人事情報と照合」「免許証確認時に台帳も更新」など、更新のきっかけと責任者を決めましょう。保存期間や退職者の取扱いは最新法令・地域の確認基準で再確認してください。
まとめ
運転者台帳は、運転者の基本情報を集めた名簿ではなく、安全管理の履歴を一人ずつ追えるようにする帳票です。事故記録、健康診断、適性診断、指導監督記録などと照合し、変更の都度更新することが巡回指導対策になります。
巡回指導を控えている事業者様へ
何から準備すればよいか分からない、運転者台帳と関連記録に漏れがないか事前に確認したい、指摘後の改善対応を相談したい場合は、専門家による事前確認・対応支援をご活用ください。過度な書類作りではなく、実際の運用と記録が一致しているかを整理します。
Ican行政書士事務所/運送業許可・更新サポートセンター
ホームページ:https://ican-office.com/
代表・矢内 TEL:070-1389-0777
本日の専門家紹介
鶴見隆之先生(東京都)
東京都荒川区の「行政書士Mocha経営法務事務所」を運営。公式プロフィールでは、運送業の許認可に加え、特定技能外国人材に関する人材紹介・在留資格申請・生活支援、財務分野の資金繰り・融資・補助金を専門業務として掲げています。人材不足や資金面も含め、運送会社の経営課題を幅広く支援する専門家です。
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