【運送業実務ブログ】巡回指導で確認される運行管理者講習|「2年に1回」の数え方と受講漏れ対策
一般貨物自動車運送事業の巡回指導では、運行管理者を選任・届出しているかだけでなく、必要な講習を受講させているかも確認されます。「前回から丸2年たっていない」「行政から通知が来ていない」という理由だけで、受講不要と判断するのは危険です。
運行管理者講習は年度を基準に管理されます。講習の種類と対象者を整理し、選任届、受講履歴、事故・行政処分の有無を一体で確認しましょう。
結論|選任年度と、その後2年度ごとに受講させる
国土交通省の案内では、選任された運行管理者は、選任届出をした日の属する年度と、その後2年度ごとに、基礎講習または一般講習を受講する必要があります。
たとえば、2026年度に新たに選任した運行管理者は、原則として2026年度中に対象講習を受講させます。その後は、最後に受講した年度から数えて2年度ごとに受講年度を管理します。「受講日から24か月以内」という単純な日数管理ではありません。
講習には基礎・一般・特別の3種類がある
基礎講習
運行管理者や補助者になろうとする人が、運行管理に必要な法令・業務の基礎知識を学ぶ講習です。初めて選任された運行管理者に基礎講習の受講履歴がない場合は、基礎講習を受講させる必要があります。
一般講習
すでに選任されている運行管理者が、法令改正や運行管理実務に関する知識を更新するための講習です。通常の定期受講では、選任年度とその後2年度ごとの受講管理が基本です。
特別講習
死者または重傷者を生じた事故を惹起した営業所や、輸送の安全確保に関する法令違反で行政処分を受けた営業所について、相当の責任を有する運行管理者などが対象となる講習です。対象となった場合は、運輸支局等からの通知内容に従って受講します。
事故・行政処分がある場合は通常周期だけでは足りない
死者・重傷者を生じた事故を惹起した営業所や、輸送の安全確保に関する法令違反で行政処分を受けた営業所では、運行管理者に一般講習等を2年度連続で受講させる取扱いがあります。さらに、事故や処分について相当の責任を有する運行管理者や統括運行管理者は、特別講習の対象となることがあります。
したがって、会社全体で「全員2年に1回」とだけ管理すると漏れが生じます。営業所ごとに事故・行政処分の有無を確認し、対象者と受講年度を個別に管理してください。
行政からの通知を待たない
一般講習・基礎講習については、従来のように行政から個別の受講通知が届くことを前提とせず、事業者の責任で受講対象年度を把握し、認定講習実施機関へ申し込む必要があります。特別講習の対象通知とは取扱いが異なります。
年度末は予約が取りにくくなる場合があります。年度当初に対象者を抽出し、開催日程を確認しておくことが実務上有効です。
巡回指導前にそろえる資料
- 運行管理者選任・解任届の控え
- 現在選任されている運行管理者の一覧
- 基礎講習・一般講習・特別講習の修了証明や受講記録
- 過去の受講年度が分かる管理表
- 事故・行政処分に伴う通知書と受講対応記録
- 異動・退職・他営業所への転任履歴
紙の修了証を保管するだけでなく、選任日、最終受講年度、次回受講年度を一覧にすると、受講漏れを早期に発見できます。
よくある受講管理の誤り
- 運行管理者資格者証を持っていれば、講習は不要だと思っている
- 選任届を提出した年度の受講を忘れている
- 「2年に1回」を受講日から24か月と数えている
- 補助者の講習履歴と、選任運行管理者の定期講習を混同している
- 他社・他営業所での受講歴を確認しないまま管理表へ転記している
- 事故・行政処分後の連続受講や特別講習を通常周期に埋もれさせている
年度管理表は営業所ごと・個人ごとに作る
複数営業所がある会社では、本社で一括管理していても、巡回指導を受ける営業所の現場で受講状況を説明できないことがあります。営業所ごとに選任状況と受講証明を確認できるようにし、本社の人事記録とも定期的に照合しましょう。
運行管理者が他営業所へ異動したときは、選任・解任届だけでなく、受講履歴と次回対象年度も引き継ぎます。氏名が同じでも講習区分や受講年度が異なるため、個人単位の履歴管理が必要です。
まとめ
運行管理者講習は、単に「2年に1回」と覚えるのではなく、選任した年度、最後に受講した年度、事故・行政処分による追加受講の有無を確認することが重要です。行政からの一般講習・基礎講習の通知を待たず、事業者自身が年度管理表を作成し、早めに受講を手配しましょう。
巡回指導前に講習履歴を点検したい方へ
巡回指導を控えているものの、誰が今年度の受講対象か分からない、選任届と修了証が一致しているか不安、事故後の受講対応を確認したいという場合は、専門家による事前点検が有効です。Ican行政書士事務所では、帳票・届出・講習履歴を含む巡回指導対応を支援しています。詳しくは巡回指導対応サービスをご覧ください。代表・矢内、TEL:070-1389-0777。
本日の専門家紹介|毛呂敦先生(東京都)
毛呂敦先生は、東京都多摩地域を中心に活動するTAMAフロンティア行政書士事務所の行政書士です。警視庁の警察官として20年間勤務し、そのうち10年間は入管法に関する事件捜査に携わった経験を持ちます。運送事業者の法令違反を未然に防ぐ支援に加え、在留資格申請、外国人雇用企業の受入れ体制整備、特定技能外国人ドライバーの採用・雇用管理にも取り組んでいます。
運送業許可・更新サポートセンター 全国メンバー
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