【運送業実務ブログ】一般貨物運送事業の休止・廃止届は「30日前まで」|古い事後届情報に注意
一般貨物自動車運送事業を一時的に止める、または事業を終了するとき、「停止してから30日以内に届ければよい」と考えていないでしょうか。現在の貨物自動車運送事業法では、事業を休止または廃止しようとするときは、その30日前までの届出が必要です。
インターネット上には、改正前の「休止・廃止した日から30日以内」という案内も残っています。実務では、検索結果や古い社内資料だけに頼らず、現行法と管轄運輸支局の最新様式を確認することが重要です。
休止と廃止の違い
休止
運送事業を一定期間停止し、将来再開する予定がある場合です。届出書には休止日だけでなく、休止の予定期間や理由も記載します。単に売上がなく車両を動かしていない状態を長期間放置するのではなく、事業として休止するなら正式な手続を検討します。
廃止
一般貨物自動車運送事業を終了する場合です。会社自体を解散しない場合でも、許可事業をやめるのであれば廃止届が必要になります。「法人を残すから運送業の届出は不要」ということではありません。
提出期限は予定日の30日前まで
現行の貨物自動車運送事業法第32条は、休止または廃止をしようとするとき、その30日前までに国土交通大臣へ届け出ることを定めています。つまり、経営会議で終了日を決めた後、実際に車両を処分して営業を止めてから届け出るのでは遅くなります。
北海道運輸局が公表した2026年3月の役員法令試験問題でも、「休止後30日以内、廃止は30日前」という記述を誤りとし、休止・廃止のどちらも30日前までと整理しています。
届出書に記載する主な事項
- 事業者の氏名または名称、住所、法人の場合は代表者氏名
- 休止日または廃止日
- 休止の場合は休止予定期間
- 休止または廃止を必要とした理由
提出経路、必要部数、添付資料、押印の取扱い、オンライン申請の可否などは管轄により最新案内を確認してください。
届出だけで終わらない実務
休止・廃止に伴って、事業用自動車の減車・自家用への変更、ナンバー返納、運行管理者・整備管理者関係、従業員の雇用、社会保険・労働保険、荷主との契約、未収運賃、事故・苦情対応、帳簿の保存なども整理する必要があります。
特に、車両の売却やリース解約を先行させると、必要な事業用自動車等連絡書や登録手続との順序が合わなくなることがあります。廃止予定日から逆算し、運輸支局と登録部門の手続を工程表にしておくと安全です。
「運行していない」と「休止した」は同じではない
受注がない、運転者が退職した、車両を一時的に動かしていないという事実だけで、許可上の休止手続が自動的に完了するわけではありません。一方で、事業実態がない状態を漫然と続けることにもリスクがあります。再開予定、車両・人員の確保状況、許可維持の意向を整理したうえで、休止、廃止、事業譲渡など適切な選択肢を検討してください。
まとめ
一般貨物自動車運送事業の休止・廃止は、現在は予定日の30日前までに届け出る手続です。改正前の事後届情報を使わず、現行法と申請先の最新案内を確認しましょう。車両登録、管理者、雇用、契約、帳簿保存まで含めた終了工程を作ることが、手続漏れを防ぐポイントです。
休止・廃止・事業承継の手続でお困りの方へ
運送業の許認可・変更手続・報告書・巡回指導対応については、運送業専門のIcan行政書士事務所/運送業許可・更新サポートセンターへご相談ください。代表・矢内、TEL:070-1389-0777。
本日の専門家紹介|石川公之先生(千葉県)
石川公之先生は、千葉市を拠点とする行政書士です。一般貨物自動車運送事業の許可・更新、巡回指導、Gマークに加え、在留資格申請と特定技能外国人ドライバーの受入れ支援にも取り組んでいます。運送業実務と入管実務を組み合わせ、許可取得後の事業継続まで見据えて支援している点が特徴です。
運送業許可・更新サポートセンター 全国メンバー
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