【巡回指導ブログ】巡回指導で確認される適性診断|初任・適齢・事故惹起の期限と管理方法
巡回指導に向けて適性診断を確認するとき、「全運転者が定期的に一般診断を受けていれば大丈夫」と考えてはいけません。法令上、特に受診管理が必要なのは、事故惹起運転者、初任運転者、高齢運転者です。対象者ごとに診断の種類と受診時期が異なるため、運転者台帳と連動させた管理が重要です。
適性診断は運転の合否判定ではない
適性診断は、運転者の性格、運転態度、認知・判断、視覚機能などを把握し、本人が自分の運転特性を理解して安全運転へつなげるためのものです。診断結果だけで運転の可否を決める制度ではありません。
事業者は、診断を受けさせるだけでなく、その結果を踏まえて個別の指導を行い、事故防止に活用する必要があります。
初任運転者は初任診断
初任運転者には、原則として、その事業者で初めて事業用自動車に乗務する前に初任診断を受けさせます。やむを得ない事情がある場合には乗務開始後1か月以内という取扱いがありますが、例外を通常運用にせず、採用時に受診予定を組むことが安全です。
大型免許を持っている、トラックの運転経験があるというだけで対象外になるとは限りません。過去3年間の事業用トラック運転者としての選任歴を確認し、対象を判定します。
65歳以上は適齢診断
高齢運転者には、65歳に達した日以後1年以内に適齢診断を受けさせ、その後は3年以内ごとに1回受診させます。65歳以上の人を新たに運転者として選任した場合は、選任日から1年以内が最初の期限です。
誕生日だけを一覧にするのではなく、「65歳到達日」「初回受診期限」「実際の受診日」「次回期限」を管理表に記載すると、受診漏れを防ぎやすくなります。
事故惹起運転者は特定診断
一定の死傷事故を起こした運転者には、事故歴等に応じて特定診断Ⅰまたは特定診断Ⅱを受けさせます。原則は、事故後に再び事業用自動車へ乗務する前です。やむを得ない事情がある場合の取扱いもありますが、対象事故の判断と乗務再開の管理を曖昧にしてはいけません。
事故が起きたときは、事故報告の要否だけでなく、特別な指導と適性診断の対象に該当するかを同時に確認します。
巡回指導前にそろえる資料
- 全運転者の氏名、生年月日、選任日をまとめた一覧
- 初任・適齢・事故惹起の対象判定表
- 適性診断の受診票、結果票、受診年月日
- 診断結果を踏まえた個別指導の記録
- 運転者台帳への受診状況の反映
- 新規採用者の過去3年間の選任歴・事故歴を確認した資料
受診票が別ファイルに保管されている場合でも、運転者台帳から受診状況を追えるように整理しましょう。
指摘を受けやすい実務上の不備
- 一般診断を受けているため、初任診断や適齢診断も済んだと思い込む
- 65歳到達者を抽出していない
- 受診済みだが運転者台帳へ記録していない
- 診断結果を保管するだけで、結果に基づく指導記録がない
- 事故後、特定診断の対象確認をせずに乗務を再開させる
- 前職での受診について、診断の種類や受診日を確認していない
毎月の確認手順
毎月1回、運転者一覧から新規採用者、65歳到達予定者、事故を起こした者を抽出します。対象者ごとに受診期限、予約日、受診日、指導実施日を記録し、未完了者を翌月へ持ち越さない仕組みにすると効果的です。
地域の適正化事業実施機関が使用する評価項目や確認資料には違いがあり得るため、巡回指導の通知や管轄トラック協会等の最新案内も確認してください。
まとめ
適性診断の管理で重要なのは、対象者を正しく抽出し、適切な診断を期限内に受けさせ、結果に基づく指導まで記録することです。初任・適齢・事故惹起を一つの一覧で管理し、運転者台帳と照合できる状態にしておきましょう。
巡回指導への準備を専門家に相談したい方へ
「診断の対象者や期限が合っているか確認したい」「運転者台帳と受診記録に漏れがないか点検したい」という場合は、事前確認によって不足を整理できます。
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本日の専門家紹介:山田和宏先生(大阪府)
山田和宏先生は、大阪市城東区の「行政書士やまだ事務所」で、一般貨物自動車運送事業をはじめとする運送業関連の許認可手続きを取り扱っています。新規許可だけでなく、許可後の変更届・事業報告、巡回指導、Gマーク取得支援、監査対策などを通じ、運送事業のコンプライアンス経営と継続的な維持管理を支援しています。
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