【巡回指導ブログ】巡回指導で指摘されない点呼記録|業務前・業務後の記載事項と整合性
巡回指導では、点呼簿が置いてあるかだけでなく、点呼が法令に沿って実施され、その内容が正確に記録されているかを確認されます。運転者名と押印だけの点呼簿、毎日同じ指示を記入した記録、運転日報と時刻が合わない記録は、実施状況に疑問を持たれる原因になります。
点呼は運行上やむを得ない場合を除き対面が基本
業務前点呼と業務後点呼は、運行上やむを得ない場合を除き、対面で行うことが基本です。単に早朝・深夜で点呼執行者が出勤していないことや、営業所と車庫が離れていることは、電話点呼へ切り替える当然の理由にはなりません。
国土交通省の要件を満たす遠隔点呼や自動点呼などを導入する場合は、制度ごとの要件と届出等を最新情報で確認する必要があります。
業務前点呼で確認・記録すること
業務前には、運転者から報告を求め、次の内容を確認して必要な指示を与えます。
- 酒気帯びの有無(目視等とアルコール検知器)
- 疾病、疲労、睡眠不足などの健康状態
- 日常点検の実施結果
- 安全運行に必要な指示
記録には、点呼執行者名、運転者名、車両を識別できる番号、日時、点呼方法、アルコール検知器使用の有無、酒気帯びの有無、健康状態、日常点検の状況、指示事項などを残します。
業務後点呼で報告を受けること
業務後には、自動車、道路、運行の状況について報告を受けます。運転者が交替した場合は、交替者へ必要な通告をしたかも確認します。酒気帯びの有無は、業務後も目視等とアルコール検知器で確認します。
事故、車両の異常、道路状況、著しい遅延などの報告があった場合は、点呼簿だけで終わらせず、事故記録、整備記録、運転日報など必要な書類へ確実につなげます。
アルコール検知器は「置いてある」だけでは不十分
アルコール検知器は、常時有効に保持しなければなりません。電源が入ることや損傷がないことは毎日確認し、少なくとも週1回以上、酒気を帯びていない者には反応せず、アルコールを含む液体等には反応することを確認する取扱いが示されています。
機器の確認日、確認者、確認結果を記録し、故障時に代替機を使用できる体制も決めておきましょう。
点呼記録は1年間保存
一般貨物自動車運送事業の点呼記録は、1年間保存します。紙でも電磁的記録でも、巡回指導時に必要な期間を速やかに提示できる状態が必要です。
貸切バスなど他の事業区分では保存期間や追加記録が異なるため、一般貨物のルールと混同しないよう注意してください。
巡回指導で確認したい「三つの整合」
- 時刻の整合:点呼簿、運転日報、デジタコ、勤怠記録の出庫・帰庫時刻が大きく食い違っていないか
- 車両の整合:点呼簿の車両番号と、実際に運転した車両が一致しているか
- 運転者の整合:休日・欠勤・退職者が点呼記録に載っていないか、乗務した運転者の記録が漏れていないか
点呼簿だけを見直すのではなく、関連帳票を横に並べて確認することが大切です。
よくある不備
- 業務前または業務後の一方しか記録がない
- 点呼方法やアルコール検知器使用の有無が空欄
- 全員に毎日同じ指示文を機械的に記載している
- 補助者の選任要件や点呼実施割合を確認していない
- 電話点呼とした具体的理由・方法が不明
- アルコール検知器の有効性確認記録がない
- 点呼簿と運転日報・勤怠記録の時刻が一致しない
1週間分を抽出して事前点検する
巡回指導前は、まず直近1週間分について、在籍運転者、配車表、点呼簿、運転日報、デジタコ、勤怠記録を照合します。そこで見つかった原因を修正してから対象期間全体へ点検を広げると、単なる空欄埋めではなく運用そのものを改善できます。
実施機関や地域によって当日の確認方法・提出資料に違いがあり得るため、巡回指導の通知書と管轄の適正化事業実施機関の最新案内を優先してください。
まとめ
点呼対策は、記録欄を埋めることではなく、運転者の健康、飲酒、車両、運行状況を実際に確認し、安全な運行可否を判断する仕組みづくりです。点呼簿と運転日報・デジタコ・勤怠記録を照合し、実態に沿った記録へ整えましょう。
巡回指導前に点呼記録を確認したい方へ
「点呼簿の記載方法に漏れがないか」「関連帳票との時刻が合っているか」「電話点呼の運用に問題がないか」を事前に確認したい場合は、専門家による点検が役立ちます。
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本日の専門家紹介:山田和宏先生(大阪府)
山田和宏先生は、大阪市城東区の「行政書士やまだ事務所」で、一般貨物自動車運送事業をはじめとする運送業関連の許認可手続きを取り扱っています。新規許可だけでなく、許可後の変更届・事業報告、巡回指導、Gマーク取得支援、監査対策などを通じ、運送事業のコンプライアンス経営と継続的な維持管理を支援しています。
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