決算後100日以内と7月10日まで――「事業報告書」と「事業実績報告書」を混同していませんか?
一般貨物自動車運送事業者には、毎年提出する重要な報告書が2種類あります。
名称が似ているため混同されやすいのですが、対象期間も提出期限も違います。「決算後に税務申告を済ませたから、運輸支局への報告も終わった」とはなりません。
どの会社に関係するか
原則として、一般貨物自動車運送事業の許可を受けて事業を営む会社が対象です。
営業所や車両数に変更がなくても、また売上が少ない年度や赤字決算であっても、変更届とは別に定期報告が必要です。
必要な手続き① 事業報告書
提出期限:毎事業年度の終了後100日以内
会社ごとの決算期を基準に期限を計算します。例えば3月31日決算の会社は、通常7月9日が100日目となります。
事業報告書では、事業の概況や経営状況などを報告します。所定様式に加え、財務諸表等の準備が必要になるため、決算が確定したら早めに作業を始めるのが安全です。
必要な手続き② 事業実績報告書
提出期限:毎年7月10日まで
こちらは会社の決算期に関係なく、前年4月1日から当年3月31日までの輸送実績を報告します。輸送トン数、営業収入、車両数、走行距離など、様式が求める実績数値を社内資料から集計します。
期限・提出先
- 事業報告書:毎事業年度終了後100日以内
- 事業実績報告書:毎年7月10日まで
- 提出先:原則として主たる事務所を管轄する運輸支局
提出方法、必要部数、郵送・窓口・電子提出の取扱いは地域や提出時点で異なる場合があります。提出前に、管轄運輸支局の最新案内をご確認ください。
必要書類・実務上の注意
- 2つの報告書を一つの期限で管理しない
決算期によっては提出時期が重なりますが、法定期限の根拠は別です。 - 実績数値の根拠を残す
車両台帳、売上資料、輸送実績、走行距離等と整合するようにし、集計表も保存しておきましょう。 - 許可・届出内容との不一致を点検する
報告書を作る際、営業所、車庫、車両数、役員などに未届の変更がないかも確認します。 - 控えと提出記録を保存する
受付印のある控え、郵送記録、電子申請の到達記録などを保存してください。
放置した場合のリスク
未提出や期限後提出は、貨物自動車運送事業報告規則上の報告義務を果たしていない状態になります。巡回指導・監査や各種手続きの際に未提出が判明することもあります。
提出したか分からない年度がある場合は、推測で済ませず、社内控えを確認したうえで管轄運輸支局に相談し、必要な対応を行いましょう。
まとめ
「事業報告書は決算後100日以内」「事業実績報告書は毎年7月10日まで」と分けて覚えるのがポイントです。
担当者の退職や引継ぎ漏れで未提出にならないよう、年間業務カレンダーへ登録し、決算担当者・運行管理部門・経営者の間で確認体制を作っておきましょう。
運送業の許認可・変更手続・巡回指導対応については、運送業専門のIcan行政書士事務所へご相談ください。
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