トラックの増車・減車は「いつでも届出」ではない――認可に変わるケースを確認
一般貨物自動車運送事業の増減車は、通常は事前届出で処理されます。しかし、減車後に最低車両数を満たさない場合や、短期間に大幅な増車をする場合、法令遵守状況に問題がある場合などは、事業計画変更認可の対象となることがあります。車両登録の直前に気づくと納車や稼働開始が遅れるため、早めの判定が必要です。
どの会社に関係するか
- 新車・中古車・リース車を営業所へ追加する会社
- 廃車、売却、リース返却により減車する会社
- 自社の別営業所へ車両を移す会社
- 3か月以内にまとまった台数を増車する会社
- 行政処分、巡回指導E評価、報告書未提出などがある会社
必要な手続き
通常の増減車は、事業用自動車の数の変更として事前届出を行います。ただし、関東運輸局の処理方針では、次のような場合は認可審査の対象になり得ます。
- 減車後の車両数が許可基準を満たさない場合
- 増車する営業所の累積違反点数が12点以上の場合
- 当該営業所が申請前1年以内の巡回指導で総合評価Eを受けた場合
- 今回の増車数と直前3か月以内の増車数の合計が、3か月前の配置車両数の30%以上となる場合(その合計が10両以下の場合を除く)
また、普通車と霊きゅう車など「車両数」ではなく事業用自動車の種別を変更する場合は、別の認可が必要になることがあります。
期限・提出先
事前届出は、増車・減車を実施する前に、営業所を管轄する運輸支局へ提出します。関東運輸局の公示では、当日の確認が難しい場合があるため、できる限り実施予定日より前の提出に努めるとされています。認可に該当する場合は、認可取得後でなければ変更を実施できません。
登録手続で事業用自動車等連絡書が必要になるため、納車日・名義変更日・ナンバー変更日から逆算して準備してください。
必要書類・実務上の注意
- 事業計画変更届出書または認可申請書
- 増減車する車両の明細、車検証等
- 車庫の収容能力を確認できる平面図・求積図等
- 運転者の確保状況、運行管理者・整備管理者の必要員数を確認する資料
- 必要に応じて法令遵守状況、巡回指導の改善報告、報告書提出状況等の資料
増車で車庫容量が足りなくなる場合は、先に車庫の事業計画変更手続を完了させる必要があります。自社営業所間の車両移動も、原則として転出側の減車と転入側の増車の双方を手続します。管轄をまたぐ場合、提出順序や事業用自動車等連絡書の扱いを両支局へ確認すると安全です。
放置した場合のリスク
無届増車・減車、認可前の変更は、事業計画違反として巡回指導や監査で指摘されるおそれがあります。車検証上の配置と許可台帳が一致しないと、Gマーク申請、営業所移転、更新制を見据えた法令遵守確認にも影響し得ます。減車で最低車両数や運行管理体制を崩すことも避けなければなりません。
まとめ
増減車は「台数だけの簡単な届出」と決めつけず、①最低車両数、②増車割合、③行政処分・巡回指導評価、④車庫容量、⑤人員体制を先に確認しましょう。大幅増車、短期間の連続増車、営業所間移動は、契約や登録の前に認可・届出区分を管轄運輸支局へ確認するのが実務上のポイントです。
参照した一次情報(2026年9月25日確認)
- e-Gov法令検索「貨物自動車運送事業法」第9条
https://laws.e-gov.go.jp/law/401AC0000000083 - e-Gov法令検索「貨物自動車運送事業法施行規則」第6条
https://laws.e-gov.go.jp/law/402M50000800021 - 関東運輸局「一般貨物自動車運送事業の事業計画変更等に関する処理方針について」(令和元年11月1日以降適用)
https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/date/sikyoku_hp/pdf_common_riku/truck/hk_henko_191101.pdf
※認可となる具体的基準、添付書類、提出方法には地方運輸局ごとの取扱いがあります。本記事は関東運輸局の公示を例に整理しているため、実施前に管轄運輸支局の最新基準をご確認ください。
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