【運送業新規許可ブログ】申請時に運転者5名は雇用済みでないとダメ?一般貨物の新規許可で確認したい人員計画
一般貨物自動車運送事業の新規許可では、原則として営業所ごとに5両以上の事業用自動車を配置するため、それぞれの車両を安全に運行できる運転者の確保が必要です。
そこでよくあるのが、「申請書を提出する時点で、運転者5名を全員雇用していなければ申請できないのか」という質問です。
結論からいうと、許可申請の段階で採用予定者を含む人員計画を記載できる様式を採用している運輸局があります。ただし、単に「許可後に探す予定」と書けば足りるわけではありません。事業計画を確実に実行できる人数を、運輸開始までに確保できる具体的な計画が必要です。
## 「車両5台だから運転者5名」と単純に決めない
許可基準では、車両数や運行内容に応じた適切な人数の運転者を常に確保できることが求められます。
最初に5台で始める場合、通常は少なくとも5名の運転者が必要になると考えられます。しかし、必要人数は車両台数だけで機械的に判断するものではありません。
たとえば、次のような事業計画では、5名だけでは実際の運行が難しいことがあります。
・休日や有給休暇を交代できる要員がいない
・長距離運行や夜間運行が多い
・荷待ち時間や附帯作業が長い
・繁忙期に5台すべてを毎日稼働させる
・欠勤者が出ると勤務割を組めない
・運行管理者を運転者として常態的に組み込んでいる
運転者数は、「トラックを動かせる人数」ではなく、改善基準告示に適合した勤務時間・休息期間・休日を守りながら事業計画を遂行できる人数として検討する必要があります。
## 申請時に採用予定者を記載できる場合がある
地方運輸局の申請様式には、運転者や運行管理者、整備管理者について、「確保済み」と「確保予定」を区別して記載する形式があります。関東運輸局の新規許可申請書でも、運行管理者や整備管理者の確保状況、常時選任運転者の人数などを記載する欄が設けられています。
このため、申請時点で全員の雇用契約が完了していなければ、直ちに申請できないとは限りません。
一方で、確保予定とする場合には、次の事項を具体化しておく必要があります。
・必要な運転免許を持つ採用候補者がいるか
・いつまでに採用するのか
・誰がどの車両を担当するのか
・雇用条件や勤務時間に無理がないか
・社会保険・労働保険の加入準備ができているか
・運輸開始前までに必要人数を確保できる根拠があるか
申請先によっては、確保済みの運転者について運転免許証の写しを求めるなど、添付書類や確認方法が異なります。必ず営業所予定地を管轄する運輸支局の最新様式・手引きを確認してください。
## 運転者として選任できない人に注意
人数に含める予定の人が、実際に事業用トラックを運転できるとは限りません。
予定車両に対応した運転免許を保有していることはもちろん、日々雇い入れられる者、2か月以内の期間を定めて使用される者、試用期間中の一定の者など、輸送安全規則上、運転者として選任できない場合があります。
また、他社で常勤勤務している人を自社の常時選任運転者として計画したり、名義だけ借りたりすることは認められません。勤務実態、雇用関係、社会保険関係の資料と申請内容が一致するように準備しましょう。
## 運行管理者・整備管理者との兼任も慎重に判断
小規模な開業計画では、代表者や役員が運転者、運行管理者、整備管理者を兼ねるケースがあります。
資格上兼任できる場合でも、実際の勤務時間や業務量から、点呼、運転者への指導監督、車両の点検整備管理などを確実に行える体制でなければなりません。運行管理者が連日乗務して営業所を不在にする計画では、適切な運行管理体制と評価されない可能性があります。
誰が何を兼任するのかではなく、「その人が不在の時間帯に誰が点呼や異常時対応を行うのか」まで決めておくことが大切です。
## 採用は許可後ではなく申請準備と並行して進める
許可申請から許可までには審査期間がありますが、採用活動を許可後まで先送りするのは危険です。人手不足の地域では、必要な免許を持つ運転者が予定どおり集まらず、車両や施設が整っても運輸開始できないことがあります。
次の順序で準備すると進めやすくなります。
1.予定する車両数と運行内容を決める
2.勤務時間・休日・運行経路を想定する
3.必要な運転者数を算出する
4.確保済みの人と採用予定の人を区分する
5.不足人数の採用期限を決める
6.運行管理者・整備管理者を含む勤務体制を確認する
7.運輸開始前に雇用・免許・社会保険等を最終確認する
採用候補者には、「許可が下りたら雇用する」という口頭説明だけでなく、採用予定時期や条件を整理し、途中辞退が出た場合の代替要員も検討しておきましょう。
## まとめ
一般貨物自動車運送事業の新規許可では、申請時に運転者全員を雇用済みでなければならないとは限りません。しかし、必要人数を運輸開始までに確実に確保できる、具体的で実行可能な人員計画が必要です。
「車両5台だから運転者5名」とだけ考えず、休日、欠勤、運行時間、長距離運行、管理者との兼任まで含めて人数を検討しましょう。確保予定者の記載方法や添付書類は地域によって異なるため、申請先の地方運輸局・運輸支局の最新様式を確認することが重要です。
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