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【運送業新規許可ブログ】任意保険は後回しにできない―一般貨物の新規許可で確認される損害賠償能力

一般貨物自動車運送事業の新規許可では、営業所、車庫、車両、人員、資金だけでなく、事故が起きた場合に備えた「損害賠償能力」も審査されます。

「緑ナンバーを取得してから保険会社へ相談すればよい」と考えていると、許可申請時の資金計画や運輸開始前の確認で準備が止まることがあります。計画車両が事業用として補償されるか、必要な補償額を満たすかを、申請準備の段階で確認しておくことが重要です。

## 自賠責保険だけでは足りない

事業用自動車には、自動車損害賠償責任保険または自動車損害賠償責任共済への加入が必要です。しかし、新規許可の審査では、それだけで十分とはされていません。

許可基準では、自賠責保険等に加え、一般自動車損害保険、いわゆる任意保険や交通共済などにより、十分な損害賠償能力を確保する計画が求められます。

任意保険に加入していても、自賠責保険への加入が不要になるわけではありません。両者は別の制度として準備します。

## 新規参入で確認したい補償額

地方運輸局の細部取扱いでは、保有する貨物用事業用自動車が100両以下の事業者について、一般に次の水準の任意保険等への加入が求められています。

・対人賠償:被害者1名につき無制限
・対物賠償:1事故につき200万円以上

一般貨物の新規許可を5台程度で申請する事業者は、通常、この対象に含まれます。

ただし、対物200万円は許可基準上の最低水準として示されるものであり、実際の事故では高額な賠償が生じる可能性があります。契約時には、許可要件を満たすかだけでなく、事業のリスクに見合った十分な補償内容になっているかを保険会社や共済へ相談しましょう。

細部の表現や確認資料は地方運輸局により異なる場合があるため、営業所予定地を管轄する運輸局・運輸支局の最新基準を確認してください。

## 「事業用として使える保険」かを必ず確認

現在加入している自家用車向けの保険を、そのまま緑ナンバー取得後も使えるとは限りません。保険会社には、一般貨物自動車運送事業の事業用車両として使用することを明確に伝える必要があります。

見積りを依頼するときは、少なくとも次の事項を伝えましょう。

・緑ナンバーの事業用貨物車として使用すること
・車両の用途、形状、最大積載量
・運ぶ貨物の種類
・主な運行地域と走行距離
・運転者の年齢や人数
・対人・対物賠償の希望額
・車両保険や貨物賠償保険の要否

申請時点で車両が未登録の場合は、購入予定車両の見積書や諸元資料をもとに、保険料の見積りを取得できるか相談します。計画車両ごとの保険料を資金計画へ反映させるためにも、早めの依頼が必要です。

## 保険料は資金計画にも影響する

新規許可の資金計画では、自賠責保険料のほか、任意保険や交通共済などの保険料も所要資金として計上します。

「月払いにする予定だから1か月分だけ計上する」という考え方では、審査基準と合わないことがあります。多くの地域では、開業後1年間に必要となる保険料・掛金を見込む取扱いです。

見積書に記載された車両台数、用途、補償内容、保険期間が申請内容と一致しているか確認しましょう。申請途中で車両を変更すると、保険料だけでなく、車庫面積、資金計画、車両使用権原などの修正が必要になることがあります。

## 危険物や高価な貨物を運ぶ場合は追加確認

石油類、化成品類、高圧ガス類などの危険物を輸送する計画がある場合は、通常の自動車保険に加え、その輸送に対応する適切な保険へ加入する計画など、十分な損害賠償能力が必要です。

また、一般の貨物を運ぶ場合でも、運送中の破損、盗難、温度管理の失敗などは、自動車の対人・対物賠償では補償されないことがあります。高価品、冷凍冷蔵品、精密機械などを扱う場合は、貨物賠償責任保険の補償範囲や免責事項も確認しておくべきです。

「車両事故への補償」と「預かった貨物への補償」は分けて検討しましょう。

## 保険見積りで起きやすい失敗

新規許可の準備では、次のような不備が起こりがちです。

・自家用扱いの見積りになっている
・計画車両の一部しか見積りがない
・対人賠償が無制限になっていない
・申請書と車両の用途・台数が一致していない
・1年間の保険料を資金計画へ反映していない
・危険物輸送に必要な補償を確認していない
・貨物賠償と自動車保険を混同している

保険会社から見積書を受け取ったら、金額だけでなく、契約者名、車両用途、補償額、保険期間、対象台数を確認してください。

## まとめ

一般貨物自動車運送事業の新規許可では、自賠責保険に加えて、事業用車両に適用される任意保険等への加入計画が必要です。小規模な新規事業者では、対人無制限、対物1事故200万円以上が許可基準上の確認ポイントとなりますが、実際の経営リスクに応じて十分な補償を検討する必要があります。

任意保険は許可後に考えるものではありません。申請前に計画車両と運送内容を保険会社へ伝え、見積りを取得し、1年間の保険料を資金計画へ正しく反映させましょう。

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