【運送業実務ブログ】巡回指導で確認したい日常点検|点検表・点呼・整備管理をつなぐ実務
事業用トラックの日常点検は、「運転者が出庫前に車を一周して終わり」ではありません。法令上、事業用自動車は1日1回、その運行の前に日常点検を行う必要があります。
巡回指導に備えるには、点検を実施した記録だけでなく、不具合を見つけたときの報告、整備、運行可否の判断まで確認できる仕組みを整えることが重要です。
日常点検は1日1回、運行前に行う
事業用自動車の日常点検は、自家用乗用車のように「走行距離や状態に応じた適切な時期」ではなく、1日1回、運行開始前に実施するのが基本です。同じ車両を複数の運転者が使用する場合も、誰が、いつ、その日の運行前点検を行ったのかを明確にします。
日常点検で確認する主な箇所
- ブレーキの効き、ペダルの踏みしろ、駐車ブレーキ
- タイヤの空気圧、亀裂、損傷、異常摩耗、溝の深さ
- 灯火装置・方向指示器の点灯、汚れ、損傷
- エンジンオイル、冷却水、ブレーキ液などの量や漏れ
- エンジンのかかり具合、異音、低速・加速状態
- ワイパー、洗浄液、計器類など
車種や構造によって確認すべき内容が異なることがあります。会社の様式は、自動車点検基準と使用車両に合っているかを定期的に見直してください。
「異常あり」を空欄のままにしない
日常点検表で大切なのは、すべてに丸を付けることではありません。不具合が見つかった場合に、運転者から運行管理者・整備管理者へ報告され、必要な整備を行い、安全に運行できるか判断した経過を残すことです。
たとえばタイヤの損傷を発見した場合は、「異常あり」とした後に、交換・修理をしたのか、整備管理者がどのように判断したのか、運行を中止または車両変更したのかが追えるようにします。
点呼記録との整合性を確認する
乗務前点呼では、運転者の健康状態や酒気帯びの有無だけでなく、日常点検の実施またはその確認を踏まえて運行可否を判断します。日常点検表はあるのに、点呼時刻より後に点検したことになっている場合や、点検で不具合があるのに点呼記録には何も記載されていない場合は、管理の流れを説明できません。
点検時刻、点呼時刻、出庫時刻の順序と、車両番号・運転者名の整合を定期的に抽出確認しましょう。
巡回指導前のチェックポイント
- 全事業用車両について日常点検の記録が連続しているか
- 車両番号、点検日、点検者、確認者が特定できるか
- 点検項目が現行基準と使用車両に合っているか
- 「異常あり」の後の整備内容と運行可否判断が記録されているか
- 日常点検表、点呼記録、運転日報、整備記録の時刻・車両が整合しているか
- 整備管理規程や社内手順と実際の運用が一致しているか
まとめ
日常点検は、点検表を埋めるだけの業務ではありません。「点検する、異常を報告する、整備する、運行可否を判断する」という流れを、点呼や整備管理と一体で運用する必要があります。巡回指導の直前だけでなく、毎月数日分を抽出して記録の整合性を確認する仕組みを作りましょう。
巡回指導を控えていて何から確認すればよいか分からない、日常点検表や点呼記録に漏れがないか事前に見てほしい、指摘後の改善方法を相談したい場合は、運送業専門のIcan行政書士事務所/運送業許可・更新サポートセンターへご相談ください。専門家が帳票と実際の運用を確認し、改善に向けた準備を支援します。
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ホームページ:https://ican-office.com/
代表・矢内 TEL:070-1389-0777
本日のメンバー紹介:愛知県・小野香都子先生
小野香都子先生は、愛知県豊橋市の「二軒茶屋行政書士オフィス」で、運送業の許可申請、許可後の各種手続、事業報告書、巡回指導対応、Gマーク申請などを扱っています。国の行政機関で勤務した経験を持ち、運送業の手続だけでなく、法令遵守を意識した継続的な事業運営を支援しています。詳しい業務内容は、リンク先の本人紹介ページでご確認ください。
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