【巡回指導ブログ】巡回指導で確認される事故記録|事故報告・速報との違いと再発防止策
事業用トラックで事故が発生したとき、警察や保険会社へ連絡しただけで対応を終えていないでしょうか。運送事業者には、事故記録の作成・保存が求められ、一定の事故については国土交通大臣への報告や速報も必要です。
巡回指導では、事故の有無だけでなく、記録が作成され、原因分析と再発防止へつながっているかが重要になります。
事故記録は事故後30日以内に作成する
事業用自動車に事故が発生した場合、事故の記録は事故発生後30日以内に作成し、当該車両の運行を管理する営業所で3年間保存します。
自動車事故報告書を事故記録として利用できる場合もありますが、社内で必要な情報が不足しないよう確認してください。
事故記録に整理したい主な内容
- 運転者の氏名
- 事故の発生日時・場所
- 事業用自動車の登録番号
- 事故の概要と被害状況
- 事故の原因
- 再発防止のために講じた措置
警察の事故証明や保険会社の受付票だけでは、運送事業者としての原因分析や再発防止策が確認できないことがあります。自社の事故記録として整理しましょう。
事故記録・事故報告・事故速報は別の制度
すべての事故で同じ手続が必要になるわけではありません。事故記録は事業者が営業所で作成・保存するものです。一方、自動車事故報告規則に該当する事故は、所定の事故報告書を運輸支局等へ提出します。
さらに、死亡事故、多数の負傷者を生じた事故、危険物の飛散・漏えい、社会的影響の大きい事故など、一定の事故では速やかな速報が必要です。具体的な報告・速報対象や期限は、最新の自動車事故報告規則と管轄運輸支局の案内を確認してください。
事故が起きたら最初に行う実務
- 負傷者の救護と二次事故の防止
- 警察・消防等への通報
- 会社の緊急連絡網による報告
- 事故報告・速報対象に該当するかの確認
- 運転者、運行管理者、関係者からの事実確認
- 写真、ドラレコ、デジタコ、運転日報等の保全
- 原因分析と再発防止措置の決定
速報の要否を現場の運転者だけに判断させず、運行管理者や責任者が確認する仕組みを設けてください。
再発防止策は具体的に書く
「安全運転を徹底する」「本人へ注意した」だけでは、同種事故を防ぐ仕組みが分かりません。次のように、原因に対応した具体策を記録します。
- 交差点事故:危険箇所を地図化し、点呼時に周知する
- 後退事故:誘導員の配置、降車確認、バックカメラ確認をルール化する
- 居眠り事故:拘束時間・休息期間・健康状態を再点検する
- 車両故障:日常点検、定期点検、整備履歴を見直す
- 積載物事故:積付け・固縛方法の教育と確認手順を改善する
巡回指導前のチェックポイント
- 事故の有無を一覧で把握している
- 事故後30日以内に記録を作成している
- 営業所で3年間保存している
- 報告・速報対象の判断記録がある
- ドラレコ映像など原因分析資料を保全している
- 再発防止教育の実施日、対象者、内容を記録している
- 対策後の効果確認まで行っている
まとめ
事故対応は警察・保険会社への連絡だけでは終わりません。事故記録の作成と3年間の保存、報告・速報の要否確認、原因分析、具体的な再発防止までを一つの流れとして整備しましょう。
事故記録や巡回指導への備えを確認したい方へ
事故記録の項目が足りているか分からない、事故報告・速報との区別に迷う、再発防止記録を事前に確認したい場合は、専門家による巡回指導対応をご活用ください。
巡回指導への備えに役立つ帳票セット・
本日の専門家紹介:毛呂 敦先生(東京都)
毛呂 敦先生は、東京都多摩地域を中心に活動するTAMAフロンティア行政書士事務所の行政書士です。警視庁で20年間勤務し、そのうち10年間は入管法に関する事件捜査に携わった経験を持ちます。運送事業者の法令違反を未然に防ぐ支援に加え、在留資格申請、外国人雇用企業の受入れ体制整備、特定技能外国人ドライバーの採用・雇用管理にも取り組んでいます。
運送業許可・更新サポートセンター 全国メンバー
各氏名から、公式サイトで確認した本人の個別プロフィールをご覧いただけます。