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【ご遺体は”貨物”?】霊柩車ビジネスの意外すぎる5つの掟|知らなきゃ許可が取れない法律の真実

【ご遺体は”貨物”?】霊柩車ビジネスの意外すぎる5つの掟|知らなきゃ許可が取れない法律の真実

故人を見送る最後の旅路を静かに支える「霊柩車」。
その運行には厳粛な空気が漂い、私たちの心にも深い敬意が芽生えます。

しかしこの霊柩搬送ビジネス──
実は一般の貨物トラックと全く同じ法律で管理されている
ことをご存じでしょうか?

「え? ご遺体がトラックの荷物と同じ扱い?」
そう驚かれる方がほとんどです。

今回は、霊柩運送事業の許可申請を長年サポートしてきた行政書士として、
業界の裏側にある “知られざる5つの掟” を実務経験とともに徹底解説します。

これを知らずに参入すると、
「許可が下りない」「計画が頓挫した」
という事態に簡単に陥ってしまいます。


1. 法律上、ご遺体は「モノ」であり『貨物』扱いになる

最も衝撃的で、多くの方が驚かれる事実がこちら。

法律の世界では、死亡した瞬間に「人」ではなく「物(財産)」として扱われます。
そのため、ご遺体を車両で運搬し対価を得る行為は、次のように扱われます。

■ ご遺体の搬送=貨物輸送

よって霊柩事業は
「一般貨物自動車運送事業」(=緑ナンバー事業)
に分類されます。

■ 白ナンバーでの搬送は完全な違法行為

自家用車でご遺体を運び、料金をもらうことは
無許可営業(白トラ行為)
として罰則の対象です。

霊柩事業として堂々と営業するには

✔ 運輸局の許可
✔ 緑ナンバー取得
✔ 法令試験合格

が必須条件なのです。


2. 「トラック運送業より始めやすい」が「試験はもっと難しい」

霊柩車ビジネスにはトラック運送業と比べて
参入しやすい“良い面”と、意外とハードな“難しい面”
が存在します。

■ 始めやすい理由(メリット)

① 1台の車両から参入できる

一般貨物は5台必要ですが
霊柩事業は 1台の霊柩車があれば申請可能

② 管理者資格が不要(4台以下)

  • 運行管理者(国家資格):不要

  • 整備管理者:不要
    ※ただし管理担当者の選任は必要

個人事業主や小規模法人でも参入しやすい理由です。


■ しかし最大の壁がある…それが「役員法令試験」

霊柩事業を始めたい葬儀業者・新規参入者のほぼ全員が
ここでつまずきます。

■ 理由①:範囲が広すぎる

試験範囲は次の13法令:

  • 貨物自動車運送事業法

  • 道路運送法

  • 道路交通法

  • 労働基準法

  • 労働安全衛生法
    …など

葬儀のプロでも、運送法規の知識はゼロからのスタートです。

■ 理由②:年6回しか実施されない(奇数月のみ)

不合格だと…

→ 次の受験は2ヶ月後
→ 最悪、事業開始が半年以上遅れる

■ 理由③:2回落ちたら申請が取り下げになる

これは致命的です。


3. 許可申請の落とし穴:自宅前の「私道」が立ちはだかる

霊柩運送を自宅でスタートしようとする方は多いですが、
私道トラップには特に注意が必要です。

■ 私道に面した営業所・車庫は「承諾書」が必要

公道へ出るまでの私道に関して、

  • 所有者全員からの「通行承諾書」

  • 1名でも反対すると不可

これが取得できず、許可が下りないケースが非常に多いです。

■ 特に霊柩事業は住民理解を得にくい

  • 「縁起が悪い」

  • 「家の前を霊柩車が通るのは嫌だ」

介護タクシーとは違い、承諾が得られにくいのが現実。

結果:計画が白紙になることも珍しくありません。


4. 善意でもNG!「無料搬送」は法律違反

「葬儀一式サービスだから搬送は無料でやりますよ」
という“善意のサービス”…

実はこれ、完全に違法です。

■ 霊柩運送の運賃は国に届け出る“公的料金”

事業者は国土交通大臣に運賃を届け出ており、
届け出た料金を必ず収受する義務 があります。

つまり…

✔ 無料
✔ 値引き
✔ 好意でタダ

はすべて NG。

深夜料金、待機料、留置料なども含めて
料金体系を守らなければなりません。

霊柩搬送は「サービス業」ではなく
厳格な“輸送業”として法律で管理されている のです。


5. 許可取得まで半年〜1年。想像以上に時間がかかる

霊柩事業は「1台からできる」ため簡単に見えますが、
実際の許可取得には多くのステップがあり、時間もかかります。

■ 許可取得の全体スケジュール

  1. 営業所・車庫の確保

  2. 資金計画・必要書類の準備(1ヶ月)

  3. 許可申請

  4. 役員法令試験(奇数月)

  5. 運輸局の審査(3〜5ヶ月)

  6. 許可証交付

  7. 緑ナンバー取得

  8. 運賃料金設定届

  9. 運輸開始届

  10. 営業開始

■ 最短でも半年、よくあるケースは1年近く

試験・審査・承諾書などの関係で
思いのほか時間が伸びます。


まとめ|霊柩車ビジネスは「厳格な輸送業」。法律理解が絶対条件

ご遺体は「貨物」。
霊柩車は「トラック」。
霊柩搬送は「貨物輸送」。

一見不思議に思えるこの法律構造ですが、
その背景には「最後の旅路を安全に守る」という社会的責任があります。

霊柩事業は社会に必要とされる重要な仕事だからこそ、
厳格な規制のもとで運営されているのです。

そして──
霊柩事業許可の最大の壁は 役員法令試験 です。


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