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【霊柩事業に参入したい方へ】何から始めればいい?新規許可の取得方法を専門行政書士が徹底解説

【霊柩事業に参入したい方へ】何から始めればいい?新規許可の取得方法を専門行政書士が徹底解説

── 初心者でもゼロから分かる!許可要件と申請の全体像

こんにちは。
Ican行政書士事務所 代表行政書士・矢内孝昌(やない たかまさ) です。

近年、霊柩事業への新規参入に関するご相談が急増しています。
「社会に貢献したい」「葬儀社としてサービスを拡大したい」
── そんな想いから霊柩車ビジネスを始めたい方が増えているのです。

しかし、霊柩事業は 必ず許可が必要な“貨物運送業” です。
白ナンバーでご遺体を搬送し料金を受け取る行為は明確な違法行為で、摘発されるリスクがあります。

本記事では、
「何から準備すべきか?」
「必要な要件は?」
「許可を取るにはどんな流れなのか?」

という疑問に対し、専門行政書士が分かりやすく解説します。


1. 霊柩事業は「貨物自動車運送事業」です

まず必ず理解していただきたいポイントです。

霊柩事業は、ご遺体を搬送して料金を受け取るため、法律上は
「一般貨物自動車運送事業」 に分類されます。

理由は明確です。
法律上、ご遺体は「物」として扱われ、輸送行為は「貨物の運送」に該当するためです。

そのため霊柩事業を行うには、

  • 国土交通大臣の許可を取得

  • 営業用の緑ナンバーを取得

という2つが絶対に必要です。

白ナンバーでの搬送(いわゆる「白トラ行為」)は法律違反。
罰則も重いため、必ず最初に許可取得を目指す必要があります。


2. 一般貨物との比較:霊柩事業は“始めやすい”が“注意点あり”

霊柩事業は一般のトラック運送業と同じ許可ですが、次の点で 参入が比較的容易 です。

比較項目 霊柩運送事業 一般貨物運送事業
最低車両台数 1台から申請可能 原則5台以上
運行管理者・整備管理者 4台以下なら国家資格不要 有資格者必須

▼霊柩事業はこんな方に向いています

  • 葬儀社・葬祭業が新規サービスとして始めたい

  • 小規模でスタートしたい

  • 低コストで参入したい

  • 個人事業主として独立したい

ただし、
「車両1台で簡単に始められる」
というイメージだけで進めると、後述する法令試験施設要件でつまずきます。


3. 許可取得に必要な「5つの主要要件」

霊柩運送事業の許可を取得するためには、以下の5項目をすべて満たす必要があります。

  1. 資金要件

  2. 人的要件

  3. 設備要件(営業所・車庫)

  4. 車両要件

  5. 役員法令試験の合格

一つずつ解説します。


3.1 資金要件(目安:500〜600万円)

霊柩事業は、資金さえあれば誰でも始められるわけではありません。

▼必要な資金の目安

車両1台・賃料月10万円の計画で
500〜600万円程度 が一般的。

最低でも 300万円以上 の自己資金は必要です。

▼資金の証明方法

  • 銀行の 「残高証明書」 を提出

  • 申請時と許可直前の2回 提出が必要

  • 2回目提出時に残高が減っていたら 不許可になる

ここが最も多い失敗ポイントです。
「手付金を払ったら残高が減ってしまった…」
というケースは本当に多いです。


3.2 人的要件(役員・運転者・管理者)

▼役員の欠格事由

貨物自動車運送事業法に定められた欠格事由に該当しないことが必須。

例:

  • 懲役刑1年以上 → 執行終了後5年以内

  • 過去に許可取消処分を受けた → 5年以内

▼運転者の確保

  • 車両台数以上の運転者を確保

  • 日雇い運転者は不可

  • パート・契約社員でも常時選任ならOK

▼運行管理者・整備管理者

  • 車両4台以下 → 国家資格は不要

  • 車両5台以上 → 資格者を必ず選任

ここを誤解して「資格不要だから簡単」と考える方が多いですが、責任者選任・規程の整備など、やるべきことは多くあります。


3.3 設備要件(営業所・休憩施設・車庫)

霊柩事業で最もトラブルが多いのが「物件選び」です。

▼営業所

以下の地域では原則不可です。

  • 市街化調整区域

  • 第一種・第二種低層住居専用地域

  • 第一種中高層住居専用地域

賃貸の場合は 1年以上の契約 が必要です。

▼休憩・睡眠施設

  • 営業所または車庫に併設

  • 睡眠施設が必要な運行形態の場合、1人2.5㎡以上の広さが必要

▼車庫(特に注意!)

  • 営業所から5〜10km以内(地域による)

  • 車間50cm以上を確保できる広さ

  • 前面道路が車両制限令に適合

  • 私道の場合は 所有者全員の通行承諾書が必要

白ナンバーの時は問題なくても、緑ナンバーの許可審査では落とされるパターンが非常に多い項目です。


3.4 車両要件(軽自動車は不可)

霊柩車として使える車両は次の通り。

  • 宮型

  • 洋型

  • バン型

  • バス型

▼内部寸法

  • 長さ1.8m以上

  • 幅0.5m以上

  • 高さ0.5m以上

ご遺体が動かないように固定装置も必須です。


3.5 法令試験の要件(最大の難関)

最も多くの事業者がつまずくのが 役員法令試験 です。

▼試験の概要

  • 奇数月に実施

  • 30問中24問以上で合格(80%以上)

  • 出題は貨物自動車運送事業法・道路運送法など13の法令

  • 2回不合格 → 申請取り下げ

運送業未経験者にとっては専門外の内容が多く、対策なしで合格することは困難です。


4. 許可申請から事業開始までの流れ(全体で4〜6ヶ月)

霊柩事業の許可取得は次の流れで進みます。

  1. 営業所・車庫・車両・資金の準備

  2. 許可申請書の作成・提出

  3. 役員法令試験の受験

  4. 運輸局による審査(3〜4ヶ月)

  5. 許可証交付

  6. 登録免許税12万円の納付
    7.(車両5台以上の場合)管理者の選任届

  7. 運輸開始前確認報告

  8. 緑ナンバー登録

  9. 運賃料金設定届

  10. 事業開始

準備〜開業までの総期間は 約4〜6ヶ月が目安 です。


5. 結論:専門家のサポートで最短・確実に許可取得を

霊柩事業は、一般貨物と比べれば“始めやすい”事業です。
しかし同時に、

  • 物件選びの失敗

  • 資金証明の落とし穴

  • 法令試験の難易度

など、専門家が見ても難しいポイントが多数あります。

実際に当事務所には、

  • 「申請から1年経つのに許可が下りない」

  • 「法令試験で2回落ちて申請が取り下げになった」

  • 「運送業に疎い行政書士に依頼してしまった…」

という相談が後を絶ちません。


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