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【初心者向け】霊柩事業の許可の要件とは?申請方法を専門家が徹底解説

【初心者向け】霊柩事業の許可の要件とは?申請方法を専門家が徹底解説

── 初めての霊柩運送でもこれを読めば全体像が分かる!

こんにちは。
運送業専門の Ican行政書士事務所 代表行政書士の 矢内(やない) です。

霊柩事業は、ご遺体を安全かつ確実にお送りする社会的に重要な仕事です。しかし、事業として行う場合には 「緑ナンバー」=国の許可 が必須であり、一般車両(白ナンバー)でご遺体を搬送することは法律違反となります。

なぜかというと、法律上、ご遺体は「物=貨物」として扱われるためです。
そのため霊柩事業は 「一般貨物自動車運送事業」 に分類され、一般のトラック運送業と同じ許可が必要になります。

本記事では、初めて霊柩事業の許可取得を目指す方に向けて、
許可の要件・必要な手続き・申請から開業までの流れ を、専門家の視点で分かりやすく解説します。


1. 一般のトラック運送業との違い:霊柩事業が始めやすい理由

霊柩事業は「一般貨物自動車運送事業」の一部ですが、次のように 新規参入しやすい緩和措置 があるのが特徴です。

▼ 始めやすいポイント

① 車両1台から許可申請が可能
一般貨物では「最低5台」が原則ですが、霊柩事業では1台でOK。

② 人員要件が緩和されている(4台以下)
国家資格の「運行管理者・整備管理者」の選任が不要。
ただし、社内で責任者を指名し、届け出る必要はあります。

③ 営業区域は“都道府県内”が原則
長距離運行の計画が不要なため、事業計画を立てやすい。

これらにより、個人事業主・葬儀社・小規模法人でも参入しやすいビジネスとなっています。


2. 霊柩事業許可の「5大要件」

霊柩事業の許可は、次の5つの要件をすべて満たすことで取得できます。

  1. 人的要件

  2. 設備要件(営業所・車庫など)

  3. 車両要件

  4. 資金要件

  5. 法令遵守体制

順番にわかりやすく解説します。


2.1 人的要件(運転者・管理者・役員)

霊柩事業を安全に運営するため、人員面の条件があります。

▼ 運転者

  • 事業用車両の台数以上の「常時選任」運転者が必要

  • 雇用形態は正社員でなくても可(パート・契約社員でもOK)

  • 日々雇い入れのドライバーは不可

▼ 運行管理者・整備管理者

  • 4台以下の場合は国家資格が不要

  • ただし社内で責任者を選任し、運輸局へ届け出が必要

▼ 役員の欠格事由

役員が以下に該当すると許可不可となります。
例:1年以上の懲役刑終了後5年以内、過去の許可取消歴など。

▼ 社会保険

法人の場合は、

  • 健康保険

  • 厚生年金

  • 労災保険

  • 雇用保険
    への加入が必須。


2.2 設備要件(営業所・休憩施設・車庫)

霊柩事業の許可審査で最も多いのが「営業所」「車庫」関連のミスです。

▼ 営業所の条件

  • 所有なら登記事項証明書

  • 賃借なら1年以上の事業用契約

  • 用途地域の制限に適合
    (第一種低層住居専用地域・市街化調整区域などは不可)

  • 自宅を利用することも可能(要件を満たせば)

▼ 休憩・睡眠施設

  • 営業所または車庫に併設

  • 睡眠施設が必要な運行形態の場合は
     1人あたり2.5㎡以上 が必要

▼ 車庫の条件

  • 営業所併設が望ましい

  • 離れている場合は「5〜10km以内」など地域ごとの基準

  • 所有全車両を収容できる広さ

  • 車間50cm以上の余裕

  • 前面道路が車両制限令に適合

※ 私道の通行承諾が得られず許可が下りないケースが非常に多いので注意。


2.3 車両要件(霊柩車の仕様)

霊柩車として使える車両は以下のとおりです。

  • 宮型

  • 洋型

  • バン型(ストレッチャー搬送)

  • バス型

▼ 霊柩車の内部寸法要件

  • 長さ:1.8m以上

  • 幅:0.5m以上

  • 高さ:0.5m以上
    ※ 軽自動車は不可

ご遺体が動かないよう固定装置が設置されていることも必須です。


2.4 資金要件(最も誤解されるポイント)

霊柩事業の許可には「自己資金の証明」が必要です。

▼ 必要資金の目安(1台の場合)

500〜600万円以上

▼ 資金の内訳

  • 人件費(6ヶ月)

  • 燃料・修繕費

  • 車両リース料・ローン(1年分)

  • 営業所・車庫の賃料(1年分)

  • 保険料・税金

  • その他経費(2ヶ月)

さらに…

▼ 最大の落とし穴:残高証明は2回必要

① 申請時
② 許可直前

この期間に残高が減ると「不許可」となる非常に重要なポイントです。


2.5 法令遵守(欠格事由・保険加入など)

  • 役員に欠格事由がないこと

  • 事業用車両の任意保険加入
    (対人無制限・対物200万円以上)

  • 事業運営のコンプライアンス体制が整っていること

が求められます。


3. 最大の難関「役員法令試験」とは?

霊柩事業許可で最もつまずきやすいのが、
申請後に受験する 役員法令試験 です。

▼ 試験のポイント

  • 受験者:申請法人の常勤役員1名

  • 時期:奇数月(1月・3月・5月…)

  • 合格基準:30問中24問(正答率80%以上)

  • 2回連続不合格 → 申請取り下げ

  • 出題範囲:13の法律から出題

運送業未経験者にとっては、完全に専門外の内容であり、独学での合格は困難です。


4. 許可申請から事業開始までの流れと期間

霊柩事業の許可取得には、一般的に 半年〜1年 ほどかかります。

▼ 標準的な流れ

  1. 営業所・車庫・車両・資金の準備

  2. 必要書類の収集・作成

  3. 運輸支局へ申請

  4. 役員法令試験の受験

  5. 運輸局による審査(3〜5ヶ月)

  6. 許可書交付

  7. 登録免許税12万円の納付

  8. 管理者(5台以上の場合)選任届

  9. 運輸開始前確認報告

  10. 緑ナンバー登録

  11. 運賃・料金の届出

  12. 事業開始

申請を提出しても、法令試験・審査・費用等の工程が多いため、余裕を持って準備することが重要です。


5. まとめ:専門家を活用して最短・確実な許可取得を

霊柩事業の許可取得には

  • 複雑な要件

  • 多岐にわたる書類

  • 最大の壁である役員法令試験

が立ちはだかります。

しかし、正しい準備と専門家のサポートがあれば、必ず許可取得は可能です。


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