トラック新法で運送業はどう変わる?5年更新制や主な法改正をわかりやすく解説
目次
2025年に成立した、いわゆる「トラック新法」により、運送業界は大きな転換期を迎えています。
これまで一般貨物自動車運送事業の許可は、一度取得すれば継続して事業を営める制度でした。しかし、今後は許可制度の見直しをはじめ、適正運賃の確保や多重下請けの抑制、ドライバーの労働環境改善など、業界全体に影響する制度改正が段階的に進められる予定です。
この記事では、現時点で公表されている情報をもとに、改正のポイントをわかりやすく解説します。
トラック新法とは?
「トラック新法」は正式な法律名ではなく、2025年に成立した運送業に関する法改正の総称として使われている通称です。
今回の改正では、安全性の向上、適正な運賃の確保、人材不足への対応などを目的に、運送業界の課題を改善するための制度が盛り込まれました。
なお、制度の一部は今後の政令や省令で具体的な内容が決められる予定であり、すべての運用方法が確定しているわけではありません。
改正の背景
今回の法改正には、次のような課題があります。
- 物流の2024年問題による輸送力不足
- ドライバーの長時間労働
- 原価を下回る低運賃での受注
- 多重下請けによる利益の減少
- 無許可営業(いわゆる白トラ)の存在
これらの問題を改善し、持続可能な物流を実現することが今回の大きな目的です。
主な改正ポイント
1.許可制度の見直し
もっとも注目されているのが、一般貨物自動車運送事業の許可制度です。
現在は一度許可を取得すれば継続して事業を行えますが、今後は一定期間ごとの更新制度が導入される方向で検討されています。
更新時には、安全管理や法令遵守、経営状況などを確認する仕組みになると見込まれています。
2.適正な運賃の確保
運送会社が適正な利益を確保できるよう、原価を踏まえた運賃設定を促す制度も整備される予定です。
これにより、極端な価格競争を抑え、ドライバーの賃金や安全対策に必要な資金を確保しやすくなることが期待されています。
3.白トラ対策の強化
無許可で有償運送を行う「白トラ」への対策も強化されます。
運送会社だけでなく、依頼する荷主側にも適切な確認が求められる方向となっており、コンプライアンスの重要性はさらに高まるでしょう。
4.多重下請けの抑制
再委託が何重にも行われることで、実際に運送する事業者の利益が減少するケースが問題となっています。
今後は実際の運送体制を把握・記録する仕組みが整備され、取引の透明化が進められる予定です。
5.ドライバーの処遇改善
人手不足の解消には、働きやすい環境づくりが欠かせません。
適正な評価や賃金体系の整備など、ドライバーの待遇改善に向けた取り組みも制度として進められる見込みです。
今後のスケジュール
法改正は一度に実施されるのではなく、2024年から2028年頃まで段階的に施行される予定です。
すでに実運送体制管理簿の作成義務などは始まっており、今後も新たな制度が順次導入されます。
なお、更新制度の詳細や具体的な審査基準などは、今後公表される政令や省令によって明らかになる予定です。
行政書士として注目したいポイント
今回の改正により、運送業許可は「取得して終わり」ではなく、継続的な法令遵守や事業管理がより重要になると考えられます。
そのため、今後は新規許可だけでなく、許可後の継続的なサポートや法改正への対応についても、行政書士の役割がさらに大きくなるでしょう。
まとめ
トラック新法は、運送業界の安全性や健全な競争環境を整えるための大きな制度改革です。
一方で、制度の詳細にはまだ未確定な部分も多く、今後の政省令などで具体的な運用が示される予定です。
運送事業者や荷主企業は、最新の情報を継続的に確認し、早めに対応準備を進めることが重要になるでしょう。
※本記事は公表されている情報をもとに作成した一般的な解説です。制度の詳細や手続きについては、国土交通省などの最新情報をご確認ください。
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