【運送業実務ブログ】年間教育は「12項目を読ませるだけ」では不十分です
事業用トラックの運転者に対する指導・監督は、毎年継続的かつ計画的に実施する必要があります。教材を配っただけ、署名だけを集めた記録では、実際に何を指導したか説明できません。
【どの会社に関係するか】
事業用トラックの運転者を雇用・選任している一般貨物自動車運送事業者に関係します。運転者数の多い会社、複数営業所がある会社、教育担当者が交代した会社は、全員分の実施状況を確認してください。
【必要な手続き】
国土交通省の「貨物自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針」に沿い、運転者へ必要な指導・監督を行います。一般的な指導・監督は、事業用自動車を運転する心構え、関係法令、車両特性、貨物の正しい積載、過積載の危険性、危険予測、健康管理などの項目を網羅する年間計画にすると管理しやすくなります。
また、初任運転者、高齢運転者、事故惹起運転者には、一般教育とは別に特別な指導や適性診断が必要になる場合があります。対象者判定を年間教育と混同しないことが重要です。
【期限・提出先】
一般的な指導・監督は、各運転者に対して継続的・計画的に実施します。実施した日時、場所、内容、指導を受けた運転者、指導者などを記録し、営業所で3年間保存します。通常は定期提出ではありませんが、巡回指導・監査時に提示できる状態にします。
月別の実施方法や教材の選定は会社の運行実態に応じます。地方適正化事業実施機関の確認方法に地域差があり得るため、具体的な帳票様式や提示方法は管轄窓口へ確認してください。
【必要書類・実務上の注意】
・年間教育計画
・月ごとの教材、配布資料
・実施記録(日時、場所、内容、指導者)
・受講者名簿または署名
・欠席者への補講記録
・理解度確認の記録
・ドライブレコーダー映像等を使った個別指導記録
・初任、高齢、事故惹起運転者の対象者管理表
「法定12項目」という名称だけを記録するのではなく、その日に扱った具体的内容と使用教材を残します。欠席者を放置せず、補講日まで管理してください。
【放置した場合のリスク】
教育の未実施や記録不足は、巡回指導・監査での指摘対象となり得ます。事故発生時に会社がどのような指導をしていたか説明できず、安全管理体制そのものを問われるおそれもあります。
【まとめ】
年間教育は、計画・実施・記録・補講を一つの流れで管理することが重要です。12項目を年間計画に割り振り、運転者ごとの受講状況と特別指導の対象者を別々に確認しましょう。
【参照した一次情報】
・国土交通省「事業用自動車の安全対策―運転者に対する指導監督」
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/instruction.html
・国土交通省「自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う一般的な指導及び監督の実施マニュアル(トラック事業者編)」
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/resourse/data/truck_honpen.pdf
・国土交通省「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/resourse/data/construction_kamotsu.pdf
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