【巡回指導ブログ】一般貨物運送業の増車・減車|事前届出と認可になるケース
一般貨物自動車運送事業者がトラックを増車・減車するときは、車検証や事業用自動車等連絡書を用意するだけではありません。営業所に配置する事業用自動車の数は事業計画に関わるため、原則として事前に運輸支局で手続を行います。
通常は事前届出で対応しますが、変更内容や事業者の状況によっては認可申請となる場合があります。車両の売買や登録日を先に決めるのではなく、最初に必要な手続を確認しましょう。
増車・減車は原則として事前届出
営業所ごとの事業用自動車数を変更するときは、増車または減車の予定日前に、管轄する運輸支局へ事業計画変更の事前届出を行います。
提出から実施できる日までの取扱い、必要書類、窓口での確認方法は運輸局・運輸支局によって異なることがあります。登録日や納車日から逆算し、余裕を持って提出してください。
増車が認可申請になる主なケース
増車であっても、法令遵守状況や増車規模などによって、通常の事前届出ではなく認可審査の対象となる場合があります。
関東運輸局の処理方針では、例として次のようなケースが示されています。
- 営業所に行政処分の累積違反点数が一定以上ある場合
- 申請前1年間の巡回指導で総合評価Eを受けている場合
- 短期間に一定規模以上の増車を行う場合
- 許可取消しを受けた者との密接な関係など、法令遵守に問題があると判断される場合
具体的な基準や審査方法は地域・時期で異なる可能性があります。大量増車や処分歴がある場合は、車両契約前に管轄運輸支局へ確認することが重要です。
減車で最低車両数を下回らないか
一般貨物自動車運送事業では、原則として営業所ごとに一定の最低車両数を確保する必要があります。通常の営業所では5両以上が基本ですが、霊柩運送など例外的な取扱いもあります。
減車によって最低車両数を下回る場合、通常の事前届出として処理できない可能性があります。事故や災害で一時的に車両が使用できない場合など、やむを得ない事情があるときも、自己判断で減車せず事前に相談してください。
車庫の収容能力も確認する
増車後のすべての車両を、認可を受けた車庫へ適切に収容できる必要があります。車庫が足りない場合は、増車届より先に車庫の位置・収容能力の変更認可が必要になることがあります。
次の点を確認しましょう。
- 増車後の車両寸法を含めても収容できるか
- 車両相互の間隔や通路を確保できるか
- 前面道路から支障なく出入りできるか
- 営業所と車庫の距離が地域の基準内か
- 賃貸借契約で事業用車庫として使用できるか
運転者と管理者を確保できるか
増車する車両だけを用意しても、実際に運行する運転者が不足していては適切な事業計画とはいえません。日雇い運転者など、運転者として選任できない者を前提にしないことも重要です。
車両数の増加により、営業所で必要となる運行管理者の人数が変わる場合があります。整備管理体制や補助者、点呼体制、社会保険加入状況も含め、増車後の運営体制を確認してください。
営業所間で車両を移す場合
同じ会社の営業所間で車両を移動する場合も、元の営業所では減車、移動先では増車の手続が必要になります。短期間の応援だから手続不要とは限りません。
移動先の車庫収容能力、運転者数、運行管理者数なども確認し、両営業所の手続をそろえて進めます。
登録前にそろえる主な資料
- 事業用自動車数の変更届出書または認可申請書
- 増車・減車する車両の一覧
- 車検証または自動車検査証記録事項
- 売買契約書、リース契約書など使用権原を示す資料
- 車庫の収容能力を確認できる資料
- 事業用自動車等連絡書
- 地域ごとに求められる添付書類
電子車検証の場合は、券面だけでは必要な情報を確認できないことがあります。自動車検査証記録事項も用意しておくと手続が進めやすくなります。
増減車の実務チェックリスト
- 通常の事前届出か、認可申請かを確認した
- 減車後も最低車両数を満たしている
- 増車後の車庫収容能力に問題がない
- 必要な運転者、運行管理者、整備管理体制を確保した
- 車両の登録・納車日より前に提出できる日程を組んだ
- 営業所間移動の場合は双方の手続を確認した
- 車検証記録事項や契約書をそろえた
まとめ
一般貨物自動車運送事業の増車・減車は、原則として事前手続が必要です。最低車両数、大量増車、法令遵守状況などによって認可審査となる場合もあります。
車両の契約や登録を先行させると、希望日に緑ナンバーへ変更できないことがあります。管轄する地方運輸局・運輸支局の最新基準を確認し、車庫・人員・管理体制も含めて計画的に進めましょう。
増車・減車などの変更手続でお困りの方へ
運送業の許認可・変更手続・巡回指導対応については、運送業専門のIcan行政書士事務所/運送業許可・更新サポートセンターへご相談ください。
ホームページ:https://ican-office.
代表・矢内 TEL:070-1389-0777
本日の専門家紹介:鶴見隆之先生(東京都)
鶴見隆之先生は、東京都荒川区の行政書士Mocha経営法務事務所を運営しています。運送業の許認可手続に加え、特定技能外国人材の採用・在留資格・生活支援、資金繰り・融資・補助金などの財務支援にも取り組んでいます。人手不足をはじめとする経営課題について、事業者と一緒に考え、明るく元気に伴走することを大切にしています。
運送業許可・更新サポートセンター 全国メンバー
各氏名から、公式サイトで確認した本人の個別プロフィールをご覧いただけます。