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運送業許可取得に費用はいくら必要?

今回は「運送業許可取得に費用はいくら必要?」というテーマでお話しします。運送業を始めるには、法律で定められた要件を満たし、許可を取得する必要があります。その中でも、資金面での要件は特に重要です。具体的にどのくらいの費用が必要なのか、詳しく見ていきましょう。

1. 資金の要件とは?

運送業の許可を取得するためには、事業開始に必要な資金(所要資金)を確保していることが求められます。この所要資金は、以下の費用を合算したものです:

  • 車両費: 事業用車両の購入費用やリース料。
  • 建物費: 営業所や車庫、休憩・睡眠施設の取得または賃貸費用。
  • 土地費: 営業所や車庫などに使用する土地の取得または賃貸費用。
  • 保険料: 自賠責保険や任意保険の1年分の保険料。
  • 各種税金: 自動車税や自動車重量税などの1年分の税金。
  • 運転資金: 人件費や燃料費、修繕費、その他経費の一定期間分。
  • 登録免許税: 許可申請時に必要な費用(12万円)。

これらの費用を合計した金額が所要資金となり、申請者はこの金額以上の自己資金を保有していることを証明する必要があります。

2. 必要な自己資金の目安

必要な自己資金の額は、事業計画や個々の状況によって異なりますが、一般的には以下のように言われています:

  • 最低額: 約1,500万円~2,500万円。
  • 推奨額: 約2,500万円~3,000万円以上。

この差は、営業所や車庫の所有形態(自己所有か賃貸か)、車両の取得方法(購入かリースか)、従業員数などによって変動します。

3. 所要資金の内訳

具体的な費用項目について、詳しく見ていきましょう。

  • 車両費:
    • 購入の場合: 車両の購入費用全額。
    • リースの場合: 月々のリース料の12か月分。
    • 分割払いの場合: 頭金と月々の支払いの12か月分。
  • 建物費・土地費:
    • 購入の場合: 取得費用全額。
    • 賃貸の場合: 月々の賃料の12か月分と敷金・礼金など。
  • 保険料:
    • 自賠責保険料や任意保険料の1年分。
  • 各種税金:
    • 自動車税や自動車重量税の1年分。
  • 運転資金:
    • 人件費: 役員報酬や従業員給与、社会保険料などの6か月分。
    • 燃料費: 月々の燃料費の6か月分。
    • 修繕費: 車両の修繕費の6か月分。
    • その他経費: 水道光熱費、通信費、広告宣伝費などの2か月分。
  • 登録免許税:
    • 許可申請時に必要な費用として12万円。

4. 自己資金の証明方法

自己資金を証明するためには、金融機関が発行する残高証明書が必要です。申請者名義の預貯金口座の残高証明書を提出し、所要資金以上の資金を保有していることを示します。

この残高証明書は、許可申請時と運輸局から指定された時期の2回提出が求められます。2回目の残高が1回目を下回っていると、許可取得が難しくなるため、資金の管理には十分な注意が必要です。

5. 資金調達のポイント

運送業を始めるには多額の資金が必要ですが、自己資金だけで賄うのが難しい場合は、以下の方法を検討すると良いでしょう:

  • 金融機関からの融資: 事業計画をしっかり立て、銀行や信用金庫からの融資を検討します。
  • 日本政策金融公庫の利用: 新規事業者向けの融資制度を活用することができます。
  • 自治体の助成金・補助金: 地域によっては、創業支援のための助成金や補助金が用意されています。

6. その他の注意点

運送業許可取得に必要な資金を調達する際には、いくつかの注意点を押さえておきましょう。

  • 資金の一時的な借入は不可
    • 許可取得の際に求められる自己資金は、長期間にわたって事業を運営するための資金力を示すものです。そのため、一時的に借入れた資金を自己資金として見せかける行為は認められません。運輸局がこれを発見した場合、許可は取り消される可能性があります。
  • 計画的な資金管理
    • 許可申請後に運転資金や保険料が不足することがないよう、事前に十分な余裕を持って資金計画を立てることが重要です。事業開始後すぐに資金繰りが悪化すると、事業継続が困難になるリスクがあります。
  • 専門家への相談
    • 運送業許可取得には、細かな資金計画や書類準備が必要です。行政書士や税理士など、運送業に詳しい専門家に相談することで、スムーズに準備を進めることができます。

7. 許可取得後の資金計画

許可取得後も、事業を安定的に運営するためには継続的な資金計画が必要です。以下のポイントを押さえておきましょう:

  • キャッシュフローの管理
    • 売上と支出をしっかり管理し、事業運営に必要な資金が常に確保できる状態を維持します。例えば、燃料費や車両の修繕費は季節や事業の規模によって変動するため、定期的な見直しが必要です。
  • 車両の更新計画
    • 車両は事業運営の中核を担う資産ですが、使用を続けると老朽化が進み、修繕費が増大するリスクがあります。車両の更新計画を立て、必要な費用を事前に準備しておくことが重要です。
  • 拡大戦略に向けた資金準備
    • 将来的に事業規模を拡大する場合には、新たな車両の購入費用や従業員の増員費用などが必要になります。許可取得時の資金計画を参考にしながら、段階的に資金を蓄える計画を立てましょう。