【巡回指導ブログ】巡回指導で確認したい点呼簿・運転日報・デジタコ|記録の不一致を防ぐ方法
点呼簿、運転日報、デジタルタコグラフの記録は、それぞれ別の帳票ですが、同じ一日の運行を記録しています。
点呼簿では午前6時に出庫したことになっているのに、デジタコでは午前5時30分から走行している。運転日報の帰庫時刻より前に業務後点呼が行われている。このような不一致があると、記載ミスなのか、点呼や記録が実際に行われていないのか、確認が必要になります。
巡回指導への備えでは、帳票が存在するかだけでなく、複数の記録を突き合わせ、実際の運行を一貫して説明できる状態にすることが重要です。
3つの記録は役割が異なる
点呼簿
業務前・業務後・中間点呼を実施し、運転者の酒気帯び、疾病、疲労、睡眠不足、日常点検、運行状況などを確認・記録します。点呼日時、点呼方法、執行者、運転者、車両番号、確認内容、指示事項などを正確に残します。
運転日報・業務記録
運転者ごとに、乗務の開始・終了地点と日時、主な経過地点、乗務距離、事故や著しい遅延などの異常を記録します。対象車両では、貨物の積載状況、荷待ち時間、荷役作業なども記録対象になります。
デジタコ・運行記録計
車両の瞬間速度、運行距離、運行時間などを客観的に記録します。運行記録計の装着義務がある車両については、記録の作成と保存が必要です。
最初に確認したい5つの一致
- 運転者名と車両番号が一致しているか
- 業務前点呼の後に乗務を開始しているか
- 乗務終了後に業務後点呼を行っているか
- 出庫・帰庫時刻とデジタコの走行時刻が大きく食い違っていないか
- 走行距離、運行経路、休憩、荷待ちなどが実際の運行と整合しているか
数分の差が直ちに違反になるということではありません。機器の時刻設定、記入単位、構内移動など、合理的な理由がある場合もあります。重要なのは、差が生じた原因を確認し、必要な訂正や運用改善を行うことです。
点呼より先に車両が動いていないか
特に注意したいのが、デジタコ上の走行開始が業務前点呼より早いケースです。給油、洗車、構内移動であっても、誰が、なぜ車両を動かしたのか確認できなければなりません。
「少し動かしただけだから」と慣行化すると、点呼前の乗務と見られるおそれがあります。構内移動を誰が行うか、移動前にどの確認を行うかを社内で決め、点呼記録と矛盾しない運用にしてください。
業務後点呼を帰庫前に記録していないか
運転日報やデジタコではまだ運行中なのに、点呼簿では業務後点呼が終了している場合、記録の先付けを疑われる原因になります。
業務後点呼では、運行した経路、道路・交通・気象の状況、事故や異常の有無、酒気帯びの有無などを確認します。運転者が帰庫する前に、まとめて記入しておくことはできません。記録は実際の点呼後に作成する運用を徹底しましょう。
デジタコだけでは運転日報の全項目を代替できない
運行記録計の記録を業務記録の一部として利用することはできますが、デジタコが記録する速度、距離、時間だけでは、法定の記録事項をすべて満たせない場合があります。
積載状況、交替地点、事故・異常、荷待ち、荷役作業など、機器で自動記録されない事項は、運転者ごとに付記する仕組みが必要です。「デジタコがあるから手書きや入力は不要」と一律に判断しないでください。
記録は原則1年間保存する
点呼記録、業務記録、運行記録計による記録は、原則として1年間保存します。紙で保存する場合は日付・車両・運転者ごとに探せる状態にし、電子保存の場合は巡回指導時に速やかに表示・出力できるようにします。
データの保存期間が初期設定で短くなっていないか、機器交換や契約変更で過去データが消えないかも確認してください。
月1回の突合チェックを仕組みにする
巡回指導の直前だけ全件を確認するのは大変です。毎月、運転者と日付を抽出して、点呼簿・運転日報・デジタコを突合する社内点検を行いましょう。
- 無作為に数日分を抽出する
- 早朝・深夜・長距離運行を優先する
- 点呼方法、時刻、運転者、車両を照合する
- 不一致の原因を確認し、訂正履歴を残す
- 同じ原因が続く場合は運用やシステム設定を見直す
帳票を無理に同じ数字へ書き換えるのではなく、原記録を尊重し、訂正者、訂正日、理由が分かる方法で修正してください。
まとめ
点呼簿、運転日報、デジタコは別々に作成して終わる書類ではありません。運転者、車両、点呼時刻、乗務時刻、走行距離などを定期的に照合し、実際の運行を一貫して説明できる状態にしておくことが大切です。
不一致が見つかった場合は、単純な転記ミス、時計のずれ、運用上の問題を切り分け、再発防止まで実施しましょう。
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四條浩之先生は、静岡県富士宮市の行政書士四條法務事務所を運営し、運送業許可の更新、事業報告、変更届、巡回指導対応を柱として活動しています。丁種会員として、封印を伴う自動車登録や車庫証明などの自動車関連実務にも対応しています。
AFP(日本FP協会認定)の資格も生かし、資金面、事業承継、相続まで長期的な視点で事業者を支援しています。静岡県・山梨県全域、神奈川県西部、長野県南部については、直接訪問による対応を案内しています。
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