【巡回指導ブログ】巡回指導で確認される点呼執行者|補助者に任せる範囲と3分の1ルール
運送会社では、早朝・深夜を含めて点呼を行うため、運行管理者だけでなく補助者が点呼を担当することがあります。しかし、「基礎講習を受けた人なら、すべての点呼を任せられる」と考えるのは危険です。補助者を選任しても、運行管理者が行うべき点呼の割合や、異常時の報告・指示体制を整えておく必要があります。巡回指導では、点呼簿の記録だけでなく、誰がどの権限で点呼を行ったかを説明できる運用が重要です。
点呼の責任主体は運行管理者
業務前・業務後・中間点呼は、運転者の安全な乗務を判断する重要な運行管理業務です。業務前点呼では、日常点検の実施状況、酒気帯びの有無、疾病・疲労・睡眠不足などの状況を確認し、安全確保に必要な指示を行います。業務後点呼では、車両や道路、運行の状況、酒気帯びの有無などを確認します。
補助者は運行管理者の業務を補助する立場であり、運行管理者に代わって営業所の運行管理全体を統括する者ではありません。補助者に点呼を行わせる場合でも、最終的な運行管理体制の責任が曖昧にならないようにします。
補助者になれる人と社内手続
補助者には、運行管理者資格者証の交付を受けている人、または国土交通大臣が認定する基礎講習を修了した人を選任できます。貨物事業では補助者の選任自体について運輸支局への届出は通常求められませんが、社内で誰を補助者としたかを明確にし、運行管理規程へ選任方法、職務、遵守事項などを定める必要があります。
選任時には、講習修了証等を確認し、選任日、担当時間帯、異常時の連絡先、運行管理者への引継方法を社内文書で残しておくと、実際の運用と説明がしやすくなります。
運行管理者による点呼は総回数の3分の1以上
補助者に点呼の一部を行わせる場合でも、その営業所で選任された運行管理者が行う点呼は、行うべき総回数の少なくとも3分の1以上でなければなりません。ここで重要なのは、勤務表に運行管理者の名前があるだけでなく、点呼簿上の実施者記録から割合を説明できることです。
月末にまとめて数えるのではなく、週単位または日々のシフト作成時に割合を確認しましょう。運行管理者の休暇、出張、夜間運行が重なると、意図せず3分の1を下回るおそれがあります。
補助者が単独判断してはいけない場面
酒気帯び、強い疲労、疾病、睡眠不足、日常点検上の異常など、安全な運行に疑義があるときは、補助者が独断で乗務可とせず、直ちに運行管理者へ報告し、指示を受ける体制が必要です。運行管理者へ連絡がつかない場合の代替連絡先や、乗務を見合わせる基準もあらかじめ決めておきます。
- アルコール検知器が反応した
- 運転者の顔色や応答に異常がある
- 発熱、服薬、強い疲労や睡眠不足の申告がある
- 日常点検で車両の異常が報告された
- 運行経路や気象条件に重大な変更がある
点呼簿で確認したい事項
- 点呼執行者の氏名が毎回記録されている
- 運転者、車両、日時、点呼方法が特定できる
- 酒気帯びの有無を目視等とアルコール検知器で確認している
- 疾病、疲労、睡眠不足などの確認結果が残っている
- 業務前点呼では日常点検結果と指示事項が記録されている
- 対面でない場合は、その具体的方法が記録されている
- 訂正方法が統一され、後からまとめて作成した形跡がない
点呼記録は1年間の保存が必要です。電子化している場合も、必要な期間の記録を速やかに表示・出力でき、改変防止やバックアップを含めた管理ができるようにします。
巡回指導前の実務チェック
- 運行管理規程に補助者の選任・職務・報告方法が記載されているか
- 補助者の資格者証または基礎講習修了を確認できるか
- 点呼シフトと実際の点呼簿が一致しているか
- 運行管理者が総回数の3分の1以上を実施しているか
- 異常時の運行管理者への報告記録や指示記録があるか
- アルコール検知器を毎日確認し、少なくとも週1回の作動確認を行っているか
まとめ
補助者を置く目的は、点呼の形式を埋めることではなく、時間帯を問わず安全確認を確実に行うことです。資格要件、運行管理規程、3分の1ルール、異常時の報告経路を一体で整備し、点呼簿と実際の運用を一致させましょう。遠隔点呼・自動点呼等を導入する場合は、使用機器、届出、実施方法など別の要件があるため、最新の告示・通達と管轄運輸支局の案内を確認してください。
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本日の専門家紹介:北條貢一先生(東京都)
北條貢一先生は、東京都墨田区のみつぐ行政書士事務所を運営し、東京都行政書士会墨田支部に所属しています。公式紹介ページでは、入管業務・相続業務を中心に、運送業の特定技能ドライバーの普及推進にも取り組んでいることが紹介されています。企業の許認可取得・更新を支援し、一般貨物運送事業者とともに安定運営へ取り組む専門家です。
運送業許可・更新サポートセンター所属メンバー
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