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【有償運送のラストマイル輸送って何?】

【有償運送のラストマイル輸送って何?】


はじめに

こんにちは。「運送業専門・Ican行政書士事務所」のチャンネルへようこそ!

近年、インターネット通販の拡大に伴い、宅配便の需要が急増しています。しかし、それに伴い、ラストマイル輸送、つまり「最終的にお客様へ商品を届ける部分」において、深刻な人手不足やコストの増加が問題になっています。

こうした状況を受け、国土交通省は「自家用有償運送」に関する制度を変更し、新たに「ラストマイル輸送等への輸送対策」として、年間を通じた申請を認めることになりました。

今回は、この新制度の概要やポイント、メリット・デメリット、そして今後の影響について詳しく解説していきます。


ラストマイル輸送とは?

まず、ラストマイル輸送とは何かについて解説します。

ラストマイル輸送とは、物流の最終段階である「消費者の元へ直接商品を届ける輸送」のことを指します。例えば、

  • ネット通販で注文した商品を宅配便業者が自宅に届ける
  • スーパーやコンビニの店舗に商品を配送する

こうした輸送がラストマイル輸送に該当します。

最近では、ネット通販の利用が急増しているため、宅配便の荷物量が増え、特にラストマイルの負担が大きくなっています。都市部では交通渋滞の影響で配送時間が読みにくく、地方では配達エリアが広いため、一軒あたりの配送コストが高くなるといった課題が生じています。

こうした背景から、新たに自家用車を使った有償運送が年間を通じて認められることになったのです。


これまでの自家用有償運送のルール

従来、自家用車を使った有償運送は、特定の繁忙期(春、夏、秋、年末)に限定して認められていました。これは、「年末及び夏期等繁忙期におけるトラック輸送対策」という制度のもとで運用されていました。

しかし、年々増加する物流需要に対応するため、今回の制度変更により、年間を通じた運用が可能になったのです。


新制度「ラストマイル輸送等への輸送対策」とは?

今回の新制度の正式名称は、

「ラストマイル輸送等への輸送対策としての自家用有償運送の許可に係る取扱いについて」

とされています。

この制度では、営業所から近距離のエリアで住居や店舗などへ商品を配送する際に、事業用自動車(緑ナンバー車)だけでは輸送力の確保が困難な場合に、自家用自動車(白ナンバー車)を使用した有償運送を許可するものです。

施行開始は 2025年1月1日 で、現在の「繁忙期限定の有償運送制度」は 2024年12月31日をもって廃止 されます。


新制度のポイント

今回の制度変更のポイントを整理すると、次のようになります。

1. 年間を通じた申請が可能に

従来は繁忙期に限って認められていた有償運送ですが、新制度では 年間を通じて許可申請が可能 になりました。

2. 1両あたりの年間利用日数90日が上限

この制度では、 1台あたり年間90日までの利用 という上限が設けられています。これは、自家用車による輸送をあくまでも補助的なものと位置づけ、過度な商業利用を防ぐためです。

3. 許可対象の条件

許可を受けるためには、次の いずれかの条件 を満たす必要があります。

  • ラストマイル輸送として行われるもの
  • 公共の福祉を確保するため、地域の実情に応じて運輸支局長が認めるもの

特に、ラストマイル輸送としての使用が重視されるため、企業が単なる営業目的で自家用車を利用することは認められません。


ラストマイル輸送の課題と期待される効果

今回の制度改正により、次のような効果が期待されます。

1. 物流の効率化

これまでの制度では、繁忙期以外の時期に輸送力不足が発生することがありました。しかし、新制度により年間を通じて補助的な輸送手段を活用できるため、物流の効率化 が期待されます。

2. 配送コストの削減

特に地方では、宅配便のコストが高騰しています。自家用車を活用することで、 輸送コストの低減 にもつながる可能性があります。

3. 配送の柔軟性向上

新制度により、事業者は 繁忙期以外でも柔軟に輸送手段を確保 できるようになります。これにより、突発的な需要増加にも対応しやすくなります。


制度導入に伴う注意点

新制度の活用には、以下のような 注意点 もあります。

1. 許可申請が必要

有償運送を行うためには、国土交通省の許可を受ける必要 があります。無許可で行うと違法となるため、必ず事前に申請を行いましょう。

2. 適切な運行管理

自家用車を使うとはいえ、 運行管理や安全対策は事業用自動車と同じレベルで求められます。ドライバーの健康管理や車両点検を怠ると、事故や違反のリスクが高まるため注意が必要です。

3. 乱用の防止

この制度は、あくまでも ラストマイル輸送を支援するためのもの であり、事業者がコスト削減のために安易に利用することは認められません。適正な利用が求められます。


まとめ

今回は、「有償運送のラストマイル輸送」について詳しく解説しました。

ポイントをおさらいすると…

従来の繁忙期限定の制度が変更され、年間を通じて許可申請が可能に!
1台あたり年間90日までの利用が上限!
物流の効率化やコスト削減が期待できる!
適正な運用が求められるため、ルールを守ることが重要!

今後、運送業界ではさらなる人手不足が懸念されており、この新制度は物流の現場に大きな影響を与えるでしょう。

 

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