「レンタカー許可の取得方法」を専門家が分かりやすく解説!
こんにちは。
今回は「レンタカー許可の取得方法」について、わかりやすく解説していきます。
個人や法人で、車両を貸し出すビジネス――つまり、レンタカー事業を始めたいという方にとって、最初に立ちはだかるのが「許可の取得」です。
「車を貸すだけで、どうして許可が必要なの?」
そんな疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、実はレンタカー事業は、国土交通省の許可が必要な運送事業のひとつなんです。
正式名称は「自家用自動車有償貸渡業」。
道路運送法第80条に基づく運輸支局長の許可が必要です。
これを受けずに営業すると、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されるおそれもあります。
では、その許可を取るためには、どんな条件が必要なのでしょうか?
まずは、レンタカー業を始めるための基本的な要件を見ていきましょう。
ひとつめは「営業所の確保」。
これは、実際に業務を行うための事務所のことです。
レンタカー予約の受付、契約書の保管、電話やメールによる連絡手段などが整備されている必要があります。
バーチャルオフィスや登記のみの住所では認められません。
ふたつめは「車両の確保」です。
使用する車両は、白ナンバーの自家用車両。
車検証の名義は申請者本人、もしくは法人であることが求められます。
みっつめは「保険への加入」。
これはとても重要です。
すべての車両に対して、対人・対物ともに無制限の任意保険、しかもレンタカー特約付きの保険に加入しておく必要があります。
そして、よっつめが「契約書や約款の整備」です。
レンタカーを貸し出す際には、利用者と契約を交わす必要があるため、国土交通省が定めた標準貸渡約款に基づいた契約書を準備しておきます。
次に、必要書類を見ていきましょう。
法人で申請する場合、主に次のような書類が求められます。
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登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
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定款の写し(目的に「自動車貸渡業」の記載があること)
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役員の住民票や履歴書
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営業所の賃貸契約書や登記簿
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車検証の写し
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任意保険の証書(レンタカー特約付き)
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貸渡契約書や貸渡約款の写し
いずれも、事前にしっかり準備しておくことで、申請後の補正や手戻りを防ぐことができます。
そして、皆さんが気になる「車庫(保管場所)」について。
ここは少し誤解されやすいポイントです。
実は、許可申請時点で車庫の図面や詳細な提出は原則不要です。
ただし、車両を登録する際には、車庫証明の取得が必要になります。
つまり、営業所から2キロ圏内に、実際に保管可能な場所を確保しておくことが、実務上はとても大切なんです。
また、カーシェア型の無人レンタカー事業などを予定している場合には、別途、保管場所の配置図や車両管理体制の書面などが求められることもあります。
ここまでの要件を満たして書類を整えたら、いよいよ申請です。
申請は、営業所所在地を管轄する地方運輸支局で行います。
審査期間は、通常1か月から1か月半程度。
審査に通ると、「許可証」が交付されます。
その後、「事業開始届出書」や「車両台帳」などの書類を提出すれば、晴れて営業開始となります。
ただし、「書類をそろえれば誰でも通る」というわけではありません。
特に、契約書や約款の内容、保険の条件などは、非常に細かくチェックされます。
不備があると、補正が求められたり、許可が下りないこともあるため、注意が必要です。
まとめます。
レンタカー事業を始めるには――
・営業所の確保
・車両と保険の準備
・契約書や約款の整備
・必要書類の提出
・そして、運輸支局での許可取得
このようなステップが必要です。
ややハードルが高く感じられるかもしれませんが、行政書士などの専門家に相談すれば、スムーズに進めることができます。
「レンタカー事業を始めたいけど、何から手をつければいいかわからない」
そんな方は、ぜひお近くの行政書士、または運送業専門の事務所にご相談ください。
以上、今回は「レンタカー許可の取得方法」についてお伝えしました。
最後までご視聴いただきありがとうございました。
それでは、また次の動画でお会いしましょう!